大学中退の外国人留学生を雇い使うことは可能なの??
みなさん、こんにちは。
外国人人材紹介会社
TOHOWORKの和田です。
先週の台風と地震の自然災害から約1週間ほどが経過しました。
各地では依然、復旧が進んでいないところはあるものの、徐々にではありますが元の生活に戻ってきている地域もあるそうです。
日本の対応力の素晴らしさを再認識させられます。
とはいうものの、まだまだ避難所で生活している方々もいらっしゃると思いますので心よりお見舞い申し上げますとともに、今回の災害でお亡くなりになられた方々につきましてはお悔やみ申し上げます。
さて、本日から業種や職種、様々な個別の状況に合わせてご説明をしていこうと思います。
まずは、「大学中退の外国人雇用の是非」についてご紹介していきます。
|「技術・人文知識・国際業務」、「教育」等の在留資格が許可されずに働くと不法就労になる
留学生を正社員として採用するには、就労の在留資格を得てから働かなければなりません。
大学中退では就労の在留資格が許可されませんので、採用できません。
日本人なら会社が認めなければ、大学中退(学歴としては高卒扱い)で入社しても問題はありません。
しかし、外国人は「大卒・短大・専門学校」を卒業していなければ、入管局が「技術・人文知識・国際業務」など就労の在留資格を許可しません。
高卒で許可されるためには「10年以上の実務経験」が必要です。
就労の在留資格を得ずに働くと不法就労になります。
|来日前に大学を卒業し、学位を得ている場合は、就労の在留資格が許可されることがある
留学生が日本に来る前に、本国などで大学を卒業し「学位」を得ているときは、その大学の卒業証書を使うことで、就労の在留資格を得ることが可能な場合があります。
これには大卒で「学位」を得ていることが必要です。
中国の例では「〇〇電視大学」などの名称ですが、卒業しても「学位」が出ないところがあります。
日本語で表すと「〇〇放送大学」に当たり、働きながら学べますが、「学位」はでません。
外国人が本国で大学を卒業していますといっても、「学位」を得ていない場合は「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格が許可されません。
|留学生が資格外活動の許可を得て行うアルバイトは学校に在籍中が前提
留学生がアルバイトをするときは、入管局から「資格外活動の許可」を得て行います。
この許可は留学生が学校に在籍していることが前提です(入管施第19条第5項第1号)。
中退すると除籍され在籍しない人になります。
中退後は資格外活動の許可が無効となりますので、アルバイトを続けることはできません。
|中退して3ヶ月以上何もしなければ在留資格が「取消し」になることもある
「留学」の在留資格は、日本で教育を受けるために許可されたものです。
学校を中退し、学生の立場を失うと、この前提を失います。
「留学」の本来の活動を3ヶ月以上行わない場合には、正当な理由がなければ、在留資格が取消しされることがあります(入管法第22条の4第1項第6号)。
例えば、留学生が9月末に退学した場合、留学の在留期限が翌年3月まで残っていたとしても、本来の学生としての活動を3ヶ月以上行っていないときは、在留資格の取消しの対象になります。
取消しになると、外国人の本国に帰国するしかなくなります。
|すぐに他の大学に転入するなどの予定がなければ、不法滞在につながるおそれ
大学を中退した留学生が、その後の自分のキャリアプランを持っていないときは要注意です。
例えば、希望する専攻内容が違うので別の大学に転入し直したいというようなケースでは、他の大学に転入し「留学」の在留資格を続けることを検討することがあります。
しかし、留学生が「私はこれからどうすれば日本に住み続けることができますか」などという場合は要注意です。
勉強するのはイヤだけど、このまま日本に住みたいのですと希望しても「留学」の在留資格は更新されません。
他の在留資格への変更も、原則できません。
もし「留学」の在留期限が切れ、そのまま日本に留まると、不法残留(オーバーステイ)となります。
|まとめ
大学中退の外国人留学生を雇い使うことはできません。
正社員として採用する場合の「技術・人文知識・国際業務」、「教育」などの在留資格は大卒の学歴(卒業証書)がなければ許可されないからです。
また、資格外活動の許可を得て行う留学生のアルバイトも、大学等に在籍中に行う場合に限り、許可されています。