入管法を知ろう(罰則)①
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
先週の土曜日も一件、面接に同行してきました。
製造業での機械オペレーターとしての人材をお探しの会社様です。
NS旋盤の経験者で、日本語の会話能力も申し分ないベトナム人をご紹介しました。
今年中にはベトナムに置いてきたお子さんを日本に呼びたいということで転職を希望されました。
派遣の仕事をしていたそうなのですが、賃金が安くこのままではいつまでも子供を日本に呼べないという悩みがあったそうです。
子どもを日本で就学させるということで今後も日本で生活をしていく覚悟を持っている方でした。
まだ、内定が決まったわけではありませんが、その会社で新しい生活を始めてもらえると嬉しいです。
さて、今日のテーマです。
今日は「不法就労助長罪」についてご紹介していきたいと思います。
「不法就労助長罪」、恐らく初めて聞かれた方もいると思います。
字を見れば「不法就労者を助ける罪」ということで大体の意味はわかると思いますが、
実際、どういった時に罪になるのかなどをご説明していきたいと思います。
|CASE STUDY④ 若い女性を接客業務につけるときは注意が必要!
日本人である甲は、新宿でフィリピン人の女性を主体とするクラブ(社交飲食店)の「A」を経営しており、同店は非常に人気店となっていた。特に、若くて美しいフィリピン人を多数揃えていることが、その人気の理由だった。周囲の同様のフィリピン人の女性を主体とするクラブは、その所属するフィリピン人の年齢が高いこともあり、若い女性を中心とする「A」の方に多くの客が集まることとなっていた。 甲は、周囲の店が、どうして若い女性を入れないのかと不思議に思っていた。しかしながら、そのおかげで自分の店が繁盛しているので、特にその理由を確かめようとはしなかった。 そして、ある日、警察と入管が「A」に現れ、甲と若い女性の多くが逮捕されることとなった。 甲の罪名は、「不法就労助長罪」で、その後、罰金100万円の刑が言い渡され、「A」は閉店に追い込まれた。 |
|解説
このケースは、甲が、「留学」の在留資格を持つフィリピン人をホステスとして雇用していたから起きたものです。
ホステスが働くクラブ(社交飲食店)は、いわゆる「風俗2号営業」という「風俗営業」の1つです。
したがって、「留学」の在留資格者は、いくら資格外活動許可を得ていたとしても、資格外活動違反となり、その雇用者は資格外活動という不法就労を助長させていることとなるため不法就労助長罪が適用とされることとなりました。
さらに、甲が「許可の欠格事由者」となり、「A」の風営2号許可を取り消され閉店となっています。
このケースの背景には、フィリピン系クラブ等の外国人ホステスを主体とする社交飲食店(風営1号営業)で合法的に働ける外国人ホステスの在留資格が、
原則として
①永住者
②日本人の配偶者等
③永住者の配偶者等
④定住者
に限られ、店側が若いホステスを確保するのが困難となっている事情があるのではないでしょうか。
つまり①から③は、合法的にクラブ(社交飲食店)に勤務することはできますが、比較的年齢層が上がります。
また、④については、いわゆる「連れ子定住」は、20歳前後が多いこともありますが、絶対数が多くありません。
したがって、若い女性を探すとすれば「留学」の在留資格で日本に在留する者となる傾向にあります。
しかしながら、「留学生」はいくら資格外活動許可を得たとしても、社交飲食店で勤務することはできません。
この点を甘く考えると甲のようになってしまい、自らのビジネスを失う可能性もあります。