外国人材に向けられた抽象「論」に注意する
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
ここ最近、外国人関連のニュースがまた増えてきました。
来月から始まる特定技能1号の在留資格のせいでしょう。
弊社でも特定技能1号を企業様にご活用いただくべく登録支援機関に登録しようかと検討しております。
外国人の受入れ企業様でもご自身で登録をし雇用することは可能となっておりますが、
かなり面倒な支援が国の方針で取り決められております。
委託されることを弊社としてはおすすめいたします。
さて、今日のテーマです。
今日は「外国人への抽象論」についてお話したいと思います。
一般の日本人にとって外国人はまだまだ受け入れがたい存在のままの方が数多くいます。
これはゆるぎない事実でしょう。
しかし、どうして受け入れがたいのかという話となると推測だけで話されることが多いです。
「外国人がいると治安が悪くなる」
「外国人は日本の常識が通用しない」
など根拠のない話がその一例です。
今日はそういう考えのために倒産してしまった会社の事例を挙げてご説明していきたいと思います。
|CASE STUDY⑮ 抽象「論」の蔓延で倒産に
株式会社甲産業(以下、「甲産業」という)は、中国へ向けて廃プラの輸出をしている。本来、甲産業は日本国内だけでリサイクル業を営んできたのだが、国内での競争が激化したため甲産業の社長Aは、その活路を中国に見出しその方向転換が成功していた。 中国関係の取扱い量が増えるにしたがって、甲産業の従業員の中国人比率が高まり、現在では「日本人6」に対し「中国人4」となっていた。 そこで、最近になってAが気付いたのは日本人従業員の「中国人は、・・・・・だ」とか「日本人は〇〇だから素晴らしい」というような発言が出るに至ると、さすがにAはこのような状況は「問題」であると考えるようになった。 さらに、甲産業内では明らかに日本人と中国人の2つのグループができており、両者の間で言葉を交わすことはほとんどないことにも気づいた。 しかしながら、Aはこの状況を改善する方法を見出すことができず、その後甲産業にいた中国人たちは別会社を立ち上げて独立してしまった。 結局、中国関係の取扱いを失った甲産業は、ほどなくして倒産状態に陥ってしまった。 |
|解説
今回のケースは、甲産業内で抽象「論」が蔓延した結果、日本人従業員と中国人従業員の間に大きな溝ができてしまったことが問題です。
つまり、Aは外国人材を採用するということは、既存の日本人だけで構成していた「組織」に対して大きな影響を与えるということを理解していなかったのです。
さらに、Aは日本人従業員の外国人材に向けられた抽象「論」の氾濫を見逃してしまいました。
この点、「中国人は・・・・・だ!」、「韓国人は・・・・だ!」、そして「日本人だから素晴らしい!」という議論は、外国人材を雇用している「組織」においては意味がない、または有害な「論」であることを理解してください。
そもそも、このような「論」をしてもなんら実効性がないものです。
ただ、一個人が自分の主観に任せて言っているだけで、ビジネスや「組織」のために発言している類のものではありません。
もっとも、ビジネスを離れたプライベートの時間で、上記抽象「論」をすることまでは禁ずることはできないし、そこまではする必要もありません。
ただ、勤務時間はビジネスをするため、そして「組織」のために使うものです。
そのためには、外国人材に向けられる抽象「論」を徹底的に排除することが必要となり、「組織」のトップ自らが先頭に立って実行していかなければなりません。
そして、例え日本人従業員たちから反発のようなものがあったとしても、断固実行すべきです。
これを実行できるかどうかで、外国人材管理運用の成功が決まると言っても過言ではありません。