外国人材の管理運用上に起きる「問題」は全て成功のための「ノウハウ」となる
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
四月も残すところ後1週間となりましたね。
新しく入社してきた新入社員はいかかですか?
うまく会社に打ち解けられている人もいれば悪戦苦闘している人もいるでしょう。
外国人は日本人以上に離職率が高いので早くも転職活動を始めている人もいます。
某CMコマーシャルでは「転職は慎重に」というフレーズがありますが、その言葉外国人の方に聞いてもらいたいものです。
今後、特定技能1号の外国人がたくさん日本で働くことになると思います。
技能実習生と違って転職が可能なビザですので今以上に求職者からのお問い合わせは増えると予想しています。
受入れ企業様で人材不足にお困りでしたらお気軽にお問い合わせください。
さて、それでは今日のテーマに移りましょう。
今日、ご紹介するテーマは「外国人雇用に関する問題をノウハウとする」ことについてお話していきます。
外国人雇用をして全く問題が起きないことほど不自然なことはありません。
外国人を雇われている会社であれば大なり小なり何らかのトラブルは経験しているはずです。
もし「大きな問題」が発生した場合、経営者は外国人材に対して「抵抗感」のようなものを生じさせ、外国人材の雇用をやめてしまうでしょう。
しかし、外国人材の雇用によって発生する「問題」こそが「組織」の強い「ノウハウ」となります。
一度これらの「ノウハウ」を確立することができれば、他社にとっっては「外国人材雇用」そのものが「参入障壁」となるのに対し、これについての「ノウハウ」を確立した「組織」にとっては、もはや参入する「障壁」が取り除かれたことになるでしょう。
今日ご紹介する事例は初めて外国人を雇用しようと考えている会社で起こりがちなことをご紹介しようと思います。
|CASE STUDY㉛ 目の前の「壁」に心が折れて・・・
甲フードサービス株式会社(以下「甲フード」とする)は、都内を中心として関東一円に様々な直営店やフランチャイズ(以下「FC」とする)を展開してきた。甲フードは1つの業態にこだわらず様々な業態を展開することによって経営の安定を図り、それが成功していた。 さらに、最近FC店において外国人オーナーも増え、またグループ全体として外国人アルバイトも増え続けている(既に日本人アルバイトよりも多くなっている)。 そこで、甲フードの創業者である代表取締役Aは中国人3名、ベトナム人2名(以下「外国人幹部候補」とする)を幹部候補として正社員採用することにした。 この点、入管当局への手続についてはスムーズに進み、外国人幹部候補に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が許可された。 しかしながら、その後の社内での研修および実際の勤務において多数の問題が発生し、甲フード社内では「外国人材は非常に面倒くさい」というような雰囲気が蔓延していった。この負の雰囲気は外国人幹部候補たちも感じ取っていたので、日本人従業員と外国人材間には修復できない「壁」が作られることとなった。そして、外国人幹部候補の採用を決めたA自身の態度と行為がその「壁」を率先して作っていた。よくA自身が口にしていたのが「もう二度と外国人なんて雇わない・・・」という言葉だった。 |
|解説
今回のケースにおいて、日本人従業員と外国人材(外国人幹部候補)との間には大きな「壁」ができています。
そして、その「壁」を率先して作っていたのが甲フードの代表取締役Aであるというのが、今回のケースの根本的な問題です。
中小企業の「色」を決めるのは社長(特に創業者)に拠るところが大きいです。
つまり、社長の意識がそのまま中小企業の「色」となります。
この点、自社の状況を考えて外国人幹部候補の採用を決めたのはAです。
そのAが外国人材雇用について問題が起きるたびに、それを負の評価しかせず、さらには外国人幹部候補の存在自体を疎ましく思うような発言等を続けてしまいました。
そのため、甲フードの日本人従業員たちは「社長の右にならえ」という形でAと同様の発言と態度を外国人幹部候補に対してとるようになったのです。
もし、Aが「今、起きている問題は将来のノウハウの基礎となる」という意識を持っていれば全く違った結果—甲フードに「新たな利益」(新規業務や新たな人脈等)の柱が生まれていたかも知れません。
つまり、雇用者の考え方一つで180度変わるのが外国人材雇用です。
それだけ「主観」が幅を利かせる分野ということもありますが、それ以上に日本人側が外国人に対して「構えすぎる」ということもあります。
もちろん、外国人材雇用については特殊性がありそれについての理解は最低限必要です。
しかしながら、外国人材の雇用については雇用者が「組織」全体に視点を置きながらも、客観的な立場(可能な限り主観を排する)をとることがより重要なのです。