外国人雇用が原因で罰せられないための注意点は?
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
この度、技能実習の業種に「宿泊」が新たに追加される見通しになったとの情報が入ってきました。
来年のオリンピックに加えて、近年ではインバウンドが盛んなためホテルで働く人材が不足しているそうです。
特定技能1号では先月各地で試験が開催されたばかりで、今後ますます外国人の需要が伸びると予想されます。
特定技能においても技能実習においても入社までにはどちらも時間がかかります。
ご検討の企業様はお早めに行動に移されることをおすすめいたします。
さて、それでは今日のテーマです。
今日のテーマは外国人雇用における「注意事項」についてです。
先週もお話したように外国人を雇用する際に「知りませんでした」は通用しません。
それが本当かどうかに関わらずです。
確認を怠った雇い主の責任となります。
その際に科される罰則もかなり厳しいものとなっています。
外国人を雇用しようと考えている、もしくはすでに雇用しているという企業様におかれましては今日お話することを覚えておいていただければと思います。
|雇い入れる際の就労資格の確認
企業が外国人を雇用する際に、その者が入管法に関して適法に就労できるか否かを確認できるものとして「在留カード」があります。
|観光ビザによる就労は違法
日本国内に観光、友人の訪問、視察その他の目的で短期間滞在する外国人が取得できるのが「短期滞在」の在留資格です。
この場合、認められる在留期間は90日、30日または15日のいずれかです。
いわゆる「観光ビザ」(「ビザ」というのは「入国査証」のこと)で日本に入国した者の在留資格は「短期滞在」となります。
この資格の者は、本職としてもアルバイトとしても、仕事につき賃金や収入を得ることは一切認められません。
|外国人転職者の雇い入れ
日本国内で他社に就職していた外国人転職者を自社で採用する場合には、必ず、その外国人の在留資格と在留期間を「在留カード」で確認してください。
採用後、その企業で予定されている就労の内容と期間が、当人の所持している「在留カード」の記載内容で認められている範囲内であれば、雇用される企業が変わっても、何ら問題はありません。
例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうちの「技術」の資格で、1年間の在留・就労が認められA企業で働いていた外国人が、6か月後にB企業に転職する場合を見てみましょう。
B企業での就労分野が「技術」の範囲内であれば、その外国人は残りの6か月間、適法に就労できます。
ただし、所属機関に変更があったことを最寄りの地方入国管理局に届出なければなりません。
この場合、本人が「転職するので新たな就職先企業についても在留資格、在留期間のうえで問題ない旨の証明がほしい」ということで、地方入国管理局に申請すれば、そのことが「在留カード」に記載されます。
これに反して、B企業での就労分野が例えば通訳としてといったように、「技術」の在留資格では認められない分野の場合には、本人はB企業で働く前にあらかじめ「技術・人文知識・国際業務」のうちの「国際業務」の在留資格への変更許可申請を地方入国管理局に行い、「在留カード」にそのことを記載してもらわなければなりません。
また、当初認められた在留期間が残り1~2か月しかないといったように短い場合には、在留期間更新の許可を地方入国管理局から得なければ、在留期間を過ぎて引き続き働いていると不法残留となります。
|外国人就労者の家族である外国人の就労
①外国人が就労可能な在留資格を取得して日本に入国する場合、その外国人の扶養を受ける配偶者または子(いずれも外国人)であって「家族滞在」の在留資格で日本国内に滞在している者は、本職としての就労は認められません。
ただし、地方入国管理局の許可を得て、アルバイト、副業に従事することはできます。
風俗営業、単純労働に従事する場合は、許可されません。
外国人留学生のアルバイトの場合のように画一的な許可基準はなく、ケース・バイ・ケースで判断されます。
②また、配偶者または子が、夫とは別に就労が認められる在留資格を取得すれば、その資格の範囲内で就労できます。
例えば、夫は在留資格「技術・人文知識・国際業務」のうちの「技術」の資格、妻は「技術」の在留資格を取得して日本国に入国し、それぞれが就労するといったケースです。
③さらに、外国人労働者の家族の所持している在留資格が
「永住者」
「日本人の配偶者等」
「永住者の配偶者等」
「定住者」
のいずれかであれば、本職としてでも、アルバイト(副業)としてでも就労できます。
日系二世・三世、難民などの場合がこれに該当します。
|まとめ
外国人を雇用する際にまず確認しなければならないのが「在留カード」です。
確認のポイントは「在留資格」と「在留期間」です。
在留資格は多岐に亘っているため、初めて外国人を雇用する企業にとっては分かりにくいかもしれません。
しかし、分からないからとそのままにして雇用することだけは避けてください。
分からないことがあれば、直接入国管理局に問い合わせるか行政書士や外国人に特化した有料職業紹介にご相談されることをおすすめいたします。
外国人の採用はくれぐれも慎重に行ってください。