外国人雇用における社会保険
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
私たち日本人は就職活動をする際に自己分析というものを一度は行った経験があるのではないでしょうか。
自分の長所や短所、アピールポイントや自身の能力についてなど、総合的に考えた上で働きたいと思う会社にエントリーしたと思います。
私が大学を卒業する時には丁度就職氷河期と呼ばれていた時期でしたので、しっかりと自己分析をしても第一志望の会社から内定をもらえる人は多くなかったように思います。
今は売り手市場と呼ばれているように求職者が会社を選べる時代になっています。
そういう時代のせいなのか、外国人だからなのかは分かりませんが、自己分析はおろか自分のしたい仕事すら真剣に考えたことがない求職者が少なからずいることに少々驚いています。
学歴、職歴がなくできる仕事がないというのならまだ分かりますが、高学歴で日本語も堪能な人でも自分のやりたいことを見つけ出せていないケースが見受けられます。
弊社にお問い合わせをくださる求職者の方にはできるだけ希望に沿った案件をご紹介したいと考えています。
在留資格の問題があるのでやりたい仕事とできる仕事が必ずしもマッチするわけではありませんが、これからも一人ひとりとしっかり向き合って最適な企業を紹介していこうと思っています。
さて、それでは今日のテーマです。
今日のテーマは「社会保険」についてお話をしていきたいと思います。
日本に来て仕事をする以上、外国人でも社会保険に加入する義務があります。
しかしそのことを巡ってトラブルになるケースもありますので、雇用主もしっかりと知識を付けて説明ができるようにしておくことが大切になります。
|外国人労働者も、原則として日本人労働者と同じ要件で強制加入
外国人労働者も企業に雇用されると、日本人労働者と同様に労災保険、雇用保険、健康保険および厚生年金保険に強制加入しなければなりません。
ただし、保険の種類によっては日本人労働者と異なる点もあります。
その外国人を雇い入れることが決まった時点で、その者の雇用予定期間、所定労働時間、在留資格名、母国名等を把握したうえで、担当行政機関等に問い合わせてください。
|外国人労働者に対する社会保険の説明
企業等が外国人労働者・技能実習生を雇い入れる際には、図表1のことを詳しく説明し、納得させておくことが必要です。
図表1 外国人労働者に対する社会保険の説明事項 |
① 加入義務のある保険名 ② 外国人労働者の負担する保険料額 ③ 保険料が毎月の賃金から控除(天引き)されること ④ 各保険の給付内容など |
とくに、次のことを十分に納得させることが必要です。
① 日本の社会保険は、強制加入であること。
② 会社保険については次のメリットもあること。
イ 脱退一時金があること。
ロ 病気、ケガで障害が残った場合は、障害厚生年金がもらえること。
ハ 労働者・技能実習生本人が死亡した場合には、遺族が遺族厚生年金をもらえること。
|まとめ
外国人にとって自国でない日本で給与から社会保険が引かれていることについて疑問に感じている人も少なくありません。
とくに、厚生年金については将来的には国に帰るのに、という理由から支払いたくないという申出を受けることがあるかもしれません。
その時は、日本では外国人でも必ず社会保険に入らなければならないということを納得してもらうまで説明することが必要となります。
これも入社前にしっかりと説明しておくとトラブルの防止につながります。
なかなか日本語では伝わらないときなどは通訳や現地の言葉に直した翻訳文を見せながら説明するといいかもしれませんね。