外国人労働者との文化の違いを認める、楽しむ
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
今日から8月に入りました。
暑さもピークを迎えているようですので、熱中症予防をしっかり行ってくださいね。
そして、いよいよ特定技能の採用も本格的に動き出してきているようです。
特定技能の登録支援機関としても許可を取得済みですので、ご相談やご質問だけでもお問い合わせください。
|日本人を上回る、外国人材に秘められたパワー
外国人材を職場に受け入れるきっかけは、企業の規模や職場環境、業種・職種によってさまざまです。
単純な人手不足もあれば、市場や外部環境の変化により、外国人特有の能力を必要としている場合もあります。
近年は、外国人労働者、特にアジア圏からの労働者が大勢日本国内で活躍し始めています。
2016年から外国人専門の人材派遣会社を経営するO氏は、外国人材に大きな可能性を感じたことから事業を立ち上げました。
そのきっかけは、前職で中国国内でのアイスクリーム販売店舗のスタッフ採用・育成に取り組んでいた時の出来事でした。
当初、O氏自身が抱いていたのは、中国人スタッフに対するネガティブなイメージです。
「継続的に働かないんじゃないか」
「笑顔で接客しないんじゃないか」
「物品管理がずさんなんじゃないか?」・・・
こうした印象を持ちながら、日本式のマネジメントでスタッフを管理しようとしました。
日本式のマネジメントとは、「報・連・相を怠らない」「相手の言外にある意図までをくみ取って仕事をする」など、日本では「当たり前」とされている行動を求めることです。
しかし、スタッフたちは、O氏の思い通りには動きませんでした。
たとえば「アイスクリームが入っているショーケースのガラスを拭いてください」と指示を出します。
その指示には、衛生面での雑菌予防や、中のアイスクリームがきれいに見えるようにするためといった意図があります。
その意図を込めて指示を出したところ、中国人のスタッフは、とてもきれいとは言えない雑巾でガラスを拭き始めました。
その態度も、「拭けばいいんでしょ」と言わんばかりに、ガラスの表面をさっとなでるように拭くだけ。
見かねて「なんできれいな布で拭かないんだ」と詰め寄ると、「『拭け』と言われたから拭いたのに何で怒られなきゃいけないんですか」という納得のいかない表情のスタッフ・・・・。
「言っているのに聞く耳を持たない」「仕事へのモチベーションが低い」。
このように感じてO氏がマネジメント方法に困り果てていたころ、現地の管理者として中国国籍の社員を採用し、同じスタッフたちのマネジメントを一任しました。
すると、みるみるうちにスタッフの行動は改善されました。
聞く耳を持たないと思っていたスタッフが、その意図を理解して仕事をするようになり、モチベーションが低いと思っていたスタッフが、前向きに店舗のために働くようになったのです。
それだけではなく、いわゆる日本的な「おもてなし」を意識した接客にも興味を持つようになっていきました。
この変化をもたらしたものは何でしょうか。
それは「中国人の思考に合ったマネジメント」でした。
このケースで言えば、スタッフたちは「ガラスを拭く」という行為に込められた意図が分からなかったために、指示に対して雑な行動を取りました。
それに対し、中国人管理者が行ったマネジメントは、「なぜ」拭くのか、「何を使って」拭くのか、「どのような手順で」拭くのか、行動を細かく規定するというもの。
規定することにより、理由や手順が明確に理解できたとたん、スタッフたちの行動が激変しました。
口酸っぱく指示しなくても、店舗の売上アップに向けたアイデアを出し合い、実践できるまでに成長しました。
マネジメントのやり方を変えるだけで、見違えるほどいきいきと働くようになっていました。
このマネジメントを行ったスタッフは、元日系航空会社のキャビンアテンダントで、日本と中国のマネジメントの違いを理解していました。
つまり、O氏は中国人スタッフに対しての指示の出し方やモチベーションの上げ方を理解できていなかったのです。
O氏は、外国人材のことを理解しようとせず、日本式のやり方を押し付けていた自分の行動を反省し、マネジメントしながらともに働いていくためには、まず「彼らの思考を否定せず、理解する」ことが大切であると学びました。
そして、彼らの変貌ぶりを目の当たりにし、こうも感じていました。
「スイッチが入った彼らの積極性やパワーは、日本の労働者を大きく上回る。彼らのような外国人材が日本に活力を与えるのではないか」。
そのポテンシャルと可能性に魅了され、O氏は外国人材の派遣事業を始めたのです。
外国人材には、彼ら自身の成長だけでなく、「受け入れた企業さえも成長させ、飛躍させられる」可能性が秘められています。
その可能性を引き出すための第一歩は、外国人材それぞれの思考を理解すること。
新規の外国人受入れや、受け入れたスタッフのマネジメントは、「違い」を理解することから始まります。