外国人材を受け入れるときの大切なポイント
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
最近、特定技能に関するお問い合わせが増えてきていますが、特定技能の活用はお金がかかると思われている方が多いようです。
すべての業務を有料職業紹介や行政書士、登録支援機関に依頼されたときはそれなりのコストはかかってくると思います。
しかし、一つの会社でパッケージのように依頼をすればコストの削減にもなるでしょうし、
できる範囲のことを受入れ機関でやることによって意外と安く人材の確保ができたりもします。
特に登録支援機関に委託しないという選択肢を視野に入れて動かれると月々のランニングコストもかかりませんから、かなりお得に採用ができるケースも出てきます。
特定技能の制度についてまだまだ始まったばかりで分かりにくいところではありますが、ご質問やご相談がありましたらいつでもご連絡ください。
|外国人材受け入れには、「敬意」「明確化」「メンター」が大切
外国人材を受け入れるときに大切なポイントは大きく分けて3つあります。
一つ目は、「異国の地で働いていることに敬意を払う」ことです。
彼らはわざわざ日本に来て、日本語学校や大学・専門学校で学び、さらに日本企業に就職する道を選んでいます。
多くは20代で、不安を抱きながらも働き、人によっては母国の家族に仕送りをしている人もいます。
仮に日本人が海を渡り、欧米やアジアで働く大変さを想像すれば、日本で働く外国人材に敬意を払うのはごく自然なことではないでしょうか。
私たち日本人にとっては暗黙の了解や常識と言われていることが、他の国から見ると非常識な点はたくさんあります。
ですから、外国人材に敬意を払うのと同時に、そうした日本的な前提を知らない外国人材がいても、責めたり敬遠したりしないことをまずは意識しなければなりません。
彼らは知らないだけなので、それを一つひとつ「日本企業で働くには、こうしたほうが職場になじめるし、評価もされる」と教えていくと、こちらの予想以上に貪欲に吸収しようとします。
二つ目は、「期待・役割・目標・期限を明確にする」ことです。
企業は、外国人材である彼らにどんな役割を求め、何を期待しているのか、当面の目標は何か、その期限はいつか、などを明確に伝えます。
また、予算権限など、裁量はどこまであるのかも明確に伝えておくと、納得して仕事を進めてくれるようになります。
また、言葉での「言った・言わない」問題を防ぐために文書やテキストでやりとりする「情報共有の明確化」が重要です。
電話で伝えるよりも、チャットツールを活用したほうが証拠は残せますし、指示は明確になります。
日本人同士のコミュニケーションでも、口頭で「この前会議で話した”あれ”なんだけど・・・」という言い方をしてしまうことはありませんか?
テキストで伝えるとなると、”あれ”を具体的にしなければいけなくなります。
「〇〇の資料を△△さんに✖✖の方法で送ってください」などのようにテキストで書くことで、指示を明確化でき、誤解も少なくなります。
そして、「指揮命令系統の明確化」も大切です。
具体的には、「この仕事のボスは誰なのか?」を明らかにします。
外国人材は、日本人よりも強く、ボスが誰なのかを意識しています。
それは、「わからないことが出てきたときに誰に聞けばいいのか」をはっきりさせたいからです。
意思決定で、ボス一人に聞くだけでは角が立つなどの場合には、その必要性も説明した上で、「あなたのボスではないけれども、AさんとBさんとCさん、全員に聞いてください」と教えれば、彼らは理解し、淡々と実行します。
最後は「成果指標の明確化」です。自分がどこまでできていて、どこができていないのかを理解できる形で示します。
個人レベル、チームレベル、組織全体と、それぞれの指標をつくると、具体的に改善行動を起こしやすくなります。
これらに加え、人間関係のケアができる環境を整えます。
「定期面談」の機関をつくり、仕事の状況や悩みなどをヒアリングするのは日本人のマネジメントと同じです。
聞かないと出てこない本音もありますので、日ごろから細かいコンタクトを大切にしておきましょう。
また、「キャリアアップするにはあと何が足りないのですか?」など、意欲的な質問も頻繁に出てくるのが外国人材の特徴です。
そのときにきちんとフィードバックできるかどうかもポイントになります。
三つ目は、「社内外にメンターを設置する」ことです。
ここでいうメンターとは、仕事上で困ったことがあったときに相談でき、適切にアドバイスや指導ができる相手を指します。
まずは社内の先輩や上司に、メンターになってもらいます。
このとき、「社員全員がメンター」のような、全体でのメンター化は避けるべきです。
担当を1名決めることで、外国人材は安心して相談ができます。
マネジメントの立場から言えば、同じように業務を抱える先輩側にそこまで労力を使わせるのは大変かもしれません。
ですが、勇気を持って仕組化すると、将来的に人材が定着しやすい職場になります。
そのうち、社内のメンバーには言いにくい相談事も出てくるでしょう。
その時に話ができるように、できれば社外に契約メンターを設置するのが理想です。
外国人材の文化背景がわかっていて、守秘義務を保ちながら客観的にアドバイスできる人がいると、企業としては心強い存在になります。
また、メンターが、「外国で働いたことがある」「留学したことがある」など、「共感できる体験談」を語れると、より彼らの安心感につながります。
海外経験のある社員がいないときは、「新卒のときに先輩とどうコミュニケーションをとったか」「辛いことがあったときにどうやって乗り越えたか」などでも構いません。
共感できる人がいるということが大切です。
たとえばバックオフィスの上司が、店頭販売の外国人材に対して、「私も以前は店頭販売の仕事をして、こんな大変なこともあって・・・」という話をします。
特に中華圏の人材は、上下関係がはっきりしており、上司を雲の上の存在と感じている場合があります。
そこであえて共感できる経験談をすると、親しみを感じます。
そして、早くバックオフィスに行きたいと思っているスタッフでも、「やっぱり最初は現場で経験を積むことが大事なんですね」と納得して働くようになります。
立場が上の人でも「最初は自分たちと同じだったんだ」とわかるだけで、彼らは安心し、モチベーションを高められます。