国籍ごとの人材の特徴
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
|外国人材の「できます!」は鵜呑みにしてはいけない
「ハイコンテクスト文化」「ローコンテクスト文化」の違いは前のコラムでご紹介させていただきましたが、国ごとの人材の特徴はどのようなものでしょうか。
欧米や、ブラジルをはじめとする南米の人材は、ローコンテクスト文化で育っているため、「何をやるのか」「誰がやるのか」など、言葉での明確な指示が特に重要です。
日本人は主語を省略して話す傾向にありますが、それでは通じません。
また、他の地域の人材に比べ、主張が強いのが特徴です。
強い主張に慣れていない日本人は圧倒されてします可能性もあります。
しかし、彼らはある意味「言ったもん勝ち」の考え方で言っているだけのケースもあるので、その激しい主張が正当なことなのかどうか、しっかりと見極める目を持っておきましょう。
中国人材は、総じて自己評価が高い傾向にあります。
また、数十年前の中国人材は、どんどんチャレンジしていく特徴がありましたが、現在の若い世代は一人っ子政策実施時に生まれ、守られて育ってきたため、経験のないことや、苦労することにチャレンジしようとする姿勢が薄れています。
日本の若者と少し似ていると感じるかもしれません。
自己利益優先の考えで動いているところがあるので、そこをうまく刺激して、「これを頑張ればあなたは将来こうなれる」というような未来の自分をイメージさせることが大切です。
台湾は、中華圏ではありますが、日本人に近い特徴を持っています。
中国人に比べると、かなり感覚的、感情的でウェットな反応を示し、感情のつながりを大切にします。
一方、香港は歴史的な背景もあり、プライドが高く、欧米寄りの特徴があります。
ベトナムやネパールの人材は、自己実現のための留学や仕事ではなく、「生活のための仕事」という意識が、他の地域に比べて強い傾向にあります。
そのため、自分の仕事にミッションを感じたり、会社を好きになったりすることが難しい場合があります。
その影響か、コミュニティやグループを作りがちです。
専門学校や大学でも、国ごとにまとまって座っていたり、グループワークやディスカッションが母国語で行われてしまったりします。
ベトナムやネパールは非漢字圏のため、中華圏の人材に比べて日本語の習得は遅くなります。
そのため、どうしても同じ国の人同士で話してしまうのです。
どの国でも共通しているのが、日本人よりもはるかに「謝らない」という点。
謝ると、自分の立場が下がると考えているからです。
また、、「はっきりものを言わないと伝わらない」というのは、欧米系の人材に限らず、どこの国の人材に対しても当てはまると認識しておいて間違いないでしょう。
もうひとつ、注意しておきたいのが、外国人材の「できます!」という発言です。
これは日本人が想像する「できる」ではない可能性が高いのです。
欧米人の「できる」は、「Do My Best」の意味と考えていいでしょう。
中国系であれば、「チャレンジします」「やってみます」「できると思います」という自己評価から発する言葉です。
つまり、本当にできるかできないかを答えているわけではないのです。
なので、まず雇用する側は、「この仕事はできますか?」ではなく、「この仕事をやったことはありますか?」と尋ねることをおすすめします。
経験の有無を必ず聞いておかないと、トラブルのもとになります。
また、外国人材同士で、政治的なタブーがある場合があります。
特に注意すべきなのは台湾と中国です。
日本で、家賃を抑えるためにシェアハウスをする外国人材も多くいますが、中国人と台湾人が同居してトラブルになったケースもあります。
試験問題の表紙にある国籍記入欄に「台湾」と書いてあるのを見て、中国人が「ここはRepublic of Chinaと書くべきじゃないですか?」という、センシティブな会話に発展する場面があるのです。
研修グループなどはあえて分ける必要はありませんが、普段の会話でも、仕事の会話でも、政治的な話には触れないのがベストです。