外国人材受け入れの基本②
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
|外国人・日本人それぞれの特性を明確にする
職場の部下や、上司にフィードバックを伝えるにも、そもそも文化にどのような違いや特性があるかをお互いに把握しておかないと正しく伝えることはできません。
日本人のコミュニケーションは言葉を使わず、「察する」「空気を読む」ことが当たり前です。
日本人の上司は、1から10まですべてを説明することを良しとしません。
3割くらい説明したら、「わからなかったら、周りの人がどうやって仕事をしているか、自分で観察して理解するべきだ」と考えます。
日本語がネイティブでなく、日本文化への理解が十分ではない外国人材にとってこの日本独特のコミュニケーション方法は、心底理解しがたいものです。
また、仕事の進め方において、日本人は物事を慎重に進め、結果よりもプロセスを大事にします。
そのため、細かい「報告・連絡・相談」を求めることが多く、結果主義で育った外国人材にとっては、この文化も窮屈に感じるようです。
休みの取り方も違います。
日本人社員はよほどのことがない限り有給休暇を使わない傾向にあります。
みんなが休まないから休まない、みんなが残業しているから残業するといった会社文化が根強く残っています。
ある接客業に従事している外国人材は、定時になって仕事もすべて終わっているのに店長の意向でなかなか帰らせてもらえず、周囲の先輩にその理由を聞いたところ「そういう決まりになっている。特に理由はない」と告げられ、「信じられない!」と感じたそうです。
一方、日本以外の外国でのコミュニケーションは言葉をフルに使って、自分の意見ややりたいことをどんどん主張するといった特徴があります。
これは日本のような単一民族とは違い、さまざまな人種や民族が共存する地域では、はっきり自分の意見を伝えないと、「その他大勢」の中に埋もれてしまったり、理解してもらえなかったりすることがあるからです。
また、家族の概念も日本と違います。
日本と違い、中華系の概念では、両親の兄弟やその子ども、祖父母の兄弟までを家族と指すことが多いのです。
「家族の事情で一時帰国させてください」と外国人の部下に言われて、誰のことか聞いてみると「母親の兄です」と言われ、日本人の上司が面食らうといったこともよく起こりがちなケースです。
正しいフィードバックの第一歩は、そもそもお互いのコミュニケーション方法や文化が違うことを認識することです。
|「外国人材を受け入れるメリット」を社員全員が認識しておく
つぎに、会社に外国人材を受け入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
まずは「人手不足が解消する」といった理由が多いかもしれません。
慢性的な長時間労働、キャパシティオーバーの業務量は社員が疲弊するもとなので、業務遂行のために適切な人員を補充することは必要不可欠です。
その他にも、
「お客様への多言語対応が可能になる」
「海外展開がしやすくなる」
「新しい価値観が生まれる」
「異文化交流によって視野が広がる」
「マネジメントスキルが向上する」
などいろいろなメリットが挙げられます。
これは会社によって、業種・業界によってさまざまですが、大事なことは「そもそもなぜ外国人材をわが社に受け入れることになったんだっけ?」という目的を全員で共有することです。
外国人材との関係やマネジメントに悩んだ時に、この目的があいまいなままだと社員のストレスが溜まる元凶となります。
「陳さんがいてくれるから、中華圏のお客様の売上がアップしている!」など受け入れる目的が明確だと、いざ外国人材と衝突した際にも、お互いに理解しようとする力が前向きに働きます。
|言いにくいこともはっきりと言葉で伝える
言葉で明確に伝えることが苦手な日本人にとって、伝える相手が日本人・外国人を問わず、ネガティブなフィードバックが苦手だという人は多くいます。
しかし、これを恐れていては、本当に外国人材を理解することも、してもらえることもできません。
注意をするときも「なぜ、これをやってはいけないのか」「これをすることで、どういうリスクが発生するのか」「例外はあるのか」など、細かく何度も根気強く伝えることが外国人材には必要です。
「私も英語が話せないんだから、日本語の間違えているところを注意するのは何だか悪いな」などと思う必要もありません。
間違った日本語を使い続けるほうが、彼ら彼女らにとっては不幸なことなのです。