外国人材に将来を見せる、ビジョンを描かせる
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
「宿泊」と「飲食料品製造」の特定技能試験の日程が国土交通省と農林水産省より発表がありました。
受験者数はまだ確定していませんが、「飲食料品製造」においては1000人を超える受験者を予定しているとのことです。
また、受験の日程は10月を予定しており、来月の初めごろより受験申込みが始まります。
「宿泊」は今回2回目ですが、飲食料品製造は今回が初めてです。
人材確保をお考えの企業様がいらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください。
優先的にご紹介させていただきます。
|一度転職を考え始めたら、決断の早い外国人材
外国人の受け入れの基本は「将来を見せる、ビジョンを描かせる」ですが、なぜ将来を見せることが必要なのでしょうか。
まずは外国人材が日本で働く上で求めていることを2つ覚えておきましょう。
外国人材が会社に求めているのはまず、「雇用の安定性」です。
彼らは、「正社員」で働ける環境を求めています。
外国人材が日本で働くためには、就労ビザが必要ですが、派遣社員などの場合、就労ビザの年数が長く取れない場合があります。
ビザの期限が切れ、更新ができない時点で外国人材は帰国しなければなりません。
派遣契約の場合、いつ契約が切れるかわからず、継続の場合でも、随時ビザの更新が必要になります。
「いつ日本にいられなくなるかわからない」という不安なく滞在するためにも、できるだけ長い3年ビザ5年ビザを取得したいと考えているのです。
正社員であれば、長期ビザを取得できる可能性が高まるため、彼らは「無期雇用の正社員」にこだわりを持っているというわけです。
続いて外国人材が求めているのが、「会社のフォロー体制」です。
母国を離れて働くというのはそれだけでも不安が多い中、日本企業の習慣にも慣れなければいけません。
現地採用の人材に至っては、まず日本での生活に慣れることから始める必要があります。
したがって、そのような不安を緩和してくれるフォロー体制はとても重要です。
企業としても、外国人材の定着を図るためには、ここをおろそかにしてはいけません。
入社時のビザの取得サポートや社会保険や税金関連など事務的な内容ももちろんですが、研修システムがしっかりできているかなども外国人材は見ています。
面接の時点で、「研修期間はどのくらいありますか?」と聞いてくることも珍しくありません。
発言の裏には、「自分のスキルを伸ばしたい」「初めての仕事で不安」という気持ちがあります。
そこをサポートしてくれる会社とわかれば、彼らは安心して仕事に邁進していきます。
また、現場に配属後、外国人材をサポートする社員は、しっかりと心理的なケアができる社員を配置するといいでしょう。
できれば、先輩外国人材を担当として1名つけます。
外国人材から日本で常識とされていることを聞かれたときにも、「こういう質問をするのは当たり前なんだ」と考えられる環境をつくっていく意識がとても大切です。
「雇用の安定性」「会社のフォロー体制」の2つを押さえた上で、よりやりがいを感じて長く働いてもらうために、「将来のビジョンやキャリアを見せる」ことが大事です。
外国人材は、日本で長く働きたいといっても、基本的には1社で終身雇用という考え方はありません。
特に中国では、1~数年で転職を重ねながらキャリアアップしていく考え方が浸透しているので、3年以上働いてもらうためには会社として工夫しなければなりません。
それが、「キャリアパスを用意する」ということです。
長くても2~3年、同じ仕事を続けていくと、「もうこの仕事はマスターした」と考え、異動を願い出る社員も多くなります。
そこで新たな挑戦ができる部署や職種の受け皿がないと、外国人材の場合、今までの仕事を深めるというよりは、「この会社でやれることはやりきった」ととらえます。
転職を考え始めたら決断が早いのが外国人材の特徴でもあるので、そうなる前にしっかりと今後のキャリアを提示しておきましょう。
日本でのキャリアのスタートは、接客など、店舗でお客様に対応する仕事をしている場合が多いでしょう。
彼らの多くはその後、バックオフィス勤務を希望する傾向があります。
もちろん全員の希望を叶えられるわけではありませんが、それまでとは違う刺激のある仕事を会社が用意できるかどうかで、定着率も大きく変わってきます。
3年という目安で説明しましたが、場合によっては3か月や半年で「この仕事はできた」と判断してしまう人材もいます。
そこは上司がしっかりと見極めましょう。
中途採用で経験がある人材なら別の職種に挑戦させるのもいいのですが、新卒採用や現地採用の場合は、しっかりと日本の接客やおもてなしを理解し、マスターできるまではある程度の時間が必要です。
日本語力も十分でない場合が多いので、それを気づかせ、「今はまだここができていないから、それを完璧にしてから変わったほうがその後のためになる」といった、モチベーションを維持できるような話し方をするのがポイントです。
キャリアパスと同様に重視するのが、「やりがい」「貢献度」です。
たとえば、最初は、日本人社員が外国人のお客様に販売する際の通訳として現場に入る。
そして商品知識や日本語力の向上とともに、徐々に商品説明ができるようになり、自分がいいと思った商品をお客様に勧めていく。
それにより、お客様が自分の勧めた商品を買ってくださったり、「あなたのアドバイスがとても良かったわ!」「またあなたに会いにくるね!」などと言ってもらったりすると、店舗に貢献できていると実感につながります。
通訳はその人の発言を正確に伝えるのが主な仕事ですが、自分の言葉やコミュニケーション能力を活かして商品を販売することもできます。
それは店舗に貢献できているという実感にもなります。
単なるキャリアアップ、給料アップだけを目指しているのではなく、そのような「やりがい」を得られるかどうかも、外国人材は重要視しています。