中国人の潜在能力
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
昨日、厚労省のホームページより特定技能「介護」の試験発表が掲載されました。
そこには日本でも「介護」の試験を行う旨の記載がありました。
これまで日本では「介護」の試験は行われないと言われていただけにかなり驚きましたが、それと同時に期待感も膨らみました。
介護の仕事は他の仕事以上に人との接触が多い仕事ですので、やはり日本語能力を求められる傾向にあります。
海外で試験を受けて初めて日本に来る外国人材となると日本の文化や習慣、生活など、一から教育する必要があります。
日本語能力を高く求められている業界だけに紹介は容易ではないと思っていただけに、今回日本でも試験が行われることになって少しほっとしました。
登録支援機関の弊社としても特定技能が盛り上がることを期待しています。
さて、本日から外国人材を実際に雇用している企業や機関の実情や状況などをご紹介していきたいと思います。
<会社データ> 株式会社W 従業員数:196名(正社員:192名、派遣社員:2名、アルバイト:2名) 外国人材の在籍数:180名 所在地:東京都中央区 勤務時間:総合職:9:00~18:00 接客マイスター職:シフト制 業種/具体的な取り扱いサービス 人材斡旋及び有料職業紹介事業 人材採用支援事業 労働者派遣事業 |
|大競争社会で育っている中国人の潜在能力に驚愕
株式会社Wでは、外国人専門の人材派遣事業を2016年から開始。
中国人や台湾人など中華圏の人材を中心に、ここ数年で急速に規模を拡大しています。
代表のO氏に話を聞きました。
事業のきっかけは、前職で中国に赴任していた際、中国人スタッフのマネジメントを経験したことです。
当初まったくうまくいかなかったというマネジメントを、中国人の思考に合った形に変えていくと、驚くほど積極的に動くようになることを実感。
やるべき仕事が明確になり、理由が腹に落ちれば、指示を出さなくても自主的に行動する。
そんな中国人の潜在能力を目の当たりにし、大競争社会で育っていて、向上心が強い彼らの力を日本でも発揮させられれば、日本の活力にもなるのではなきかと考えたそうです。
そして帰国後、主に中華圏の人材を日本企業に派遣する事業を立ち上げました。
|「3年後のキャリアアップ」にはピンとこない
株式会社Wの立ち上げには、2つの背景があります。
ひとつは、日本の労働人口の減少に伴う接客業の労働力不足。
もうひとつは、日本には特に中華圏から、消費意欲の旺盛な多くの外国人観光客が訪れるという需要があることです。
特に小売業では、日本人への販売だけでは市場は縮小していく一方なので、こうした外国人観光客への販売が、売上や利益の確保のためのカギとなります。
つまり日本企業では、日本人に対してだけでなく、外国人に対しても接客できる人材確保が急務となっています。
こうした状況では、日本語と外国語の少なくとも2言語を操れる人材が価値を持ちます。
同社が中華圏の人材を毎年数十人規模で受け入れているのも、その流れは続くとはかぎらず、そうなれば外国人を抱えることはリスクになるのではないか」。
そう考える企業・経営者も多くいるでしょう。
しかし、同社の外国人採用の目的は、あくまでも「日本人と外国人両方に接客できる人材を増やす」という点です。
代表のO氏は、「たとえば、外国人観光客が激減するような状況になることがあったとしても、日本人相手のビジネスと残ります。
そこで補う存在としても、外国人材は活躍することができます。
そのために、日本人への接客をしても十分な対応ができ、クレームにならない程度の接遇力やコミュニケーション力を身に付けさせています」と話します。
外国人だけを相手にする仕事であれば、需要が減る可能性はありますが、日本人への接客ができる人材を採用している以上、基本的に需要はなくなりません。
外国人スタッフには、採用後、まずはこの「日本人にも外国人にも接客できる人材になる」ことを理解してもらいます。
そして、理解を促す意味も込めて、教育や研修をします。
ひとつ気を付けるべきは、数年単位での成長を見込んだ教育プログラムやキャリアステップではなく、半年から1年後の姿をイメージさせることです。
中華圏の人材は全体的に短期志向で、どんどんキャリアアップしたいという特徴があります。
そのため、数年後の話をしても、「そんな先の話をされても・・・」とピンときません。
面談の場面で、「3年後に何になりたいか」と聞くと、ほぼ100%「管理者になりたい」という漠然とした答えが返ってきます。
つまり、具体的に見えていないのです。
ですが、向上心が高いスタッフは多いので、中華圏の人材の特徴を活かすには、短期の目標設定でモチベーション維持を図る必要があります。