「外国人アテンダント」という専門スタッフの採用
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
【会社データ】 株式会社M 従業員数:約1万名 勤務時間:シフト制 業種/具体的な取扱いサービス:百貨店業 年商:911億8900万円 |
|いち早く観光案内所を設置し、外国人観光客の拠りどころに
株式会社Mでは、増加するインバウンド需要に対応し、2010年から外国人の観光案内所を設け、2013年から「外国人アテンダント」という専門のスタッフを採用しています。
なかでも、海外の高級ブランドショップがひしめく土地柄、多くの外国人観光客が買い物に訪れる場所。
観光案内所を設置したときから、中国語、英語、韓国語ができる販売員のニーズが高まっていました。
そこで株式会社Mがいち早く外国人アテンダントを導入し、中国人4名を採用しました。
その後、中国で口コミの評判が広まり、訪れる外国人観光客は年々増加しています。
現在、株式会社Mでは外国人アテンダントを18名まで拡充していますが、問い合わせの多さに対して、アテンダントの数が不足しており、今後も増員を見込んでいます。
ここでは、外国人アテンダントの採用を始めた株式会社Mで外国人スタッフのマネジメントを行うT氏に話を聞きました。
|先輩外国人アテンダントが、3か月間つきっきりで教育
「株式会社Mの一番の強み」とマネージャーのT氏が語るのが、「外国人アテンダント」です。
外国人のお客様の最大のストレスは「言語が通じない」ことです。
商品の色やサイズ、型などを聞きたいのに、言葉が通じなければどうしようもありません。
そこで「外国人アテンダント」の登場です。
ショップから依頼を受けて現場に急行。
外国人のお客様に親切で丁寧にわかりやすく通訳し、買い物のサポートをします。
株式会社Mの「外国人アテンダント」に境界線はありません。
株式会社Mの周辺にある飲食店や病院、駅などの周辺施設への案内も行っています。
外国人観光客が買い物や観光を楽しめるよう、地域貢献の役割も担っています。
これを地道に行うことで外国人観光客が何か困っていることがあれば「株式会社Mに行けばすべてわかる」といった口コミが広がっています。
またT氏は、「中国人のお客様がSNSを通じて、『株式会社Mに行ったらストレスなく買い物を楽しめた』『サービスを活用してお得に買い物ができた』などと発信することで、お客様がお客様を呼ぶ流れができてきました」と自信を深めています。
外国人アテンダントの育成に、非常に力を入れている株式会社M。
多くのお客様に信頼される人材確保の背景には、徹底した育成システムがあります。
スタッフそれぞれに、日本語で書かれた綿密な接客マニュアルを支給。
毎年改訂している数十ページにわたるこのマニュアルを読み、理解した上で適切に行動に移せるようにします。
さらに、「スポンサー」という役割のスタッフを新人に1名ずつ付けています。
「スポンサー」は、先輩外国人アテンダントが担当し、OJT(=On-the-Job Training 従業員による職業教育)として新人を指導。
業務中だけでなく、食事まで行動をともにし、密なコミュニケーションを重ねていきます。
スポンサーは1対1での指導が中心になるため、人としての相性も重要です。
そのため銀座店では、新人スタッフが入ってきて最初の2週間は、さまざまな先輩スタッフに1日ずつ帯同し、適性を見極めています。
その結果、合うと判断した先輩スタッフを、新人のスポンサーとして抜擢。
約3か月、新人はスポンサーの働く姿を見て学び、実際に通訳やお客様への接客をします。
その間、出勤日にはレポート提出が必須です。
新人は、その日の学びや、注意されたことをどのように改善するかなどを書いて整理し、スポンサーに提出します。
スポンサーはその都度フィードバックを行い、お互いに確認しながら勉強していきます。
そして、入社から約半年でようやく独り立ちとなります。
その後はチームリーダーのもと、朝礼をはじめとするミーティングの場で、注意喚起や変更事項などをメンバー全員で共有しています。
このような徹底した教育を行うからこそ、外国人アテンダントが「強み」と呼べる人材に育っていくのです。
また、新人の指導をするスポンサーもまた、指導を通してそれまでの自分の学びを再確認したり、整理したりでき、スポンサーという役割が彼女たちを成長させる機会にもなっています。