通訳人材の人材育成
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
【会社データ】 株式会社B 従業員数:168名(正社員:42名、契約社員:49名、アルバイト:77名) 外国人材の在籍数:52名 年商:6億1723万円 所在地:東京都新宿区 勤務時間:フレックス勤務(コアタイム10:00~16:00) 一部業務はシフト制(夜勤・土日祝勤務あり) 業種/具体的な取り扱いサービス: 通訳センター(24時間/365日 最大13言語) AI通訳/翻訳 通訳者派遣 外国語研修 メディア翻訳 |
|24時間最大13言語をコールセンターで対応
24時間の通訳コールセンターの運営を軸に、通訳の派遣業務も行う株式会社B。
東京入国管理局の在留資格申請書の受付、羽田空港国際線ターミナルなど、行政、交通、医療金融をはじめ多様な業界で同社社員が通訳として活躍しています。
創業は2002年ですが、現在のように英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語の24時間対応を標準としたのは2011年。
日本国籍を除くと最も多いのが中国、次いでフィリピン。
中心はアジア系の人材ですが、日系南米人などに対応すべくスペイン語やポルトガル語も主要言語となっています。
近年では、AI通訳・翻訳の提供をスタートするなど、通訳会社として蓄積してきたノウハウを活かす取り組みも行っています。
ほとんどがマルチリンガルであり、国籍も多様な同社が、どのように人材育成し、組織としてマネジメントをしているのか。
代表取締役社長のY氏からその秘訣を聞きました。
|「一般通訳検定」中級未満はコールセンターに入れない
通訳センターを営み、多国籍の人材を抱えるブリックスでは、求める人材像を次の5つの要素に分解しています。
①協力 チームのために協力して行動できる
②情熱 よりよい社会に変えたいという熱意がある
③根気 常に前向きに粘り強く挑戦できる
④素直 素直で柔軟性がある
⑤誠実 会社、仲間、お客様に対して誠実に取り組める
日本人も外国人も境目がないという同社は、社員募集の際にこの5つを見たしている人材であるかを重視し、入社後の研修や教育でも繰り返しこの5要素の重要性を伝えています。
もうひとつ人材に求めるのが、Y氏が代表理事を務める「一般社団法人 通訳品質評議会」主催の「一般通訳検定」です。
英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語の6言語と、日本語との通訳技能を測る検定となっており、同社では中級以上を取得していなければ通訳センターには入れません。
このようにして通訳者の質を担保しています。
通訳の仕事は、ただ言葉を翻訳するだけで成り立つものではありません。
Y氏は相手の意図をくみ取った言語変換を大切にしています。
「その人がどう思っているかをくみ取ってキャッチボールするのがポイントです。
人をちゃんと助けようと思っている人でないといけませんし、社員には私たちのミッションである『心と心をつなぐ』を体現できる人材になることを求めています。
そのためには当然、卓越した言語能力はあるべきですし、言語能力以外のスキルや知識や人間性も必要です」。
また、通訳センターには消防や医療現場などからの緊急性の高い電話もかかってきます。
その際には、日本の医療保険制度を最低限、理解している必要があります。
たとえば、日本では「救急車を呼ぶのは無料」というのが常識ですが、海外では有料が普通で、数万円相当の費用が必要になる国もあります。
その認識が欠如している通訳者が電話を受けると、助けを求めている外国人を安心させ、適切に対応することができません。
このような知識やスキルは、その都度アップデートしておく必要がありますが、それも最初に挙げた5つの要素を活かして向上させていくものです。
同社では、ことあるごとに社員にスキルアップへの自覚を促していると言います。