外国人留学生の高い就職率
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
【大学データ】 N大学 生徒数:2322名 留学生の在籍数:243名 所在地:長崎県 業種:大学 |
|留学生就職率90%超のキャリア支援
長崎県にあるN大学は、2000年の開学当初から留学生を受け入れ、現在約250名の留学生が在籍しています。
国際観光学科、社会福祉学科、健康栄養学科、薬学科の4学科のうち、留学生の9割以上が国際観光学科に在籍し、平成29年度卒業生は日本人359名、留学生75名。
国籍は、中国が最も多く、ベトナム、韓国、台湾、ミャンマーなどとなっています。
海外から直接入学、日本語学校を経てからの入学、社会人を経てからの入学など、さまざまな入学コースを持ち、日本語力もまちまちな留学生が毎年60名から70名入学しています。
就職口としても幅広い分野に輩出しており、平成29年度の就職率は学科全体で97%、留学生に限定しても約97%を誇ります。
キャリアセンター長のO氏から、就職活動成功の秘訣や学生のキャリア支援で大切にしていることをうかがいました。
|母国でも知名度のある大企業に入りたい留学生
N大学の最大の特徴は、ハウステンボスが大学の一部になっているところです。
学生であれば学生証で入場できるようになっており、多くの留学生はハウステンボスでアルバイトをしながら生活費を稼いでいます。
観光客も多いハウステンボスで働き、そのまま就職する学生もいるほど。
また、観光業界での就職を描いて国際観光学科に留学してきた学生が、観光業界を経験でき、その後の進路決定に大きく役立っています。
O氏が「観光という切り口でいろんなことを学んで、さまざまな分野に進出していくのが特徴です」と語るように、卒業後の進路は観光業界が約30%と多いものの、小売業や金融機関など、幅広い就職を実現しています。
ただ、就職支援での苦労もあります。
留学生は、母国でも知名度のある大企業に入りたがるという点です。
「実力は別として、ソニーに入りたいとか、楽天に入りたいとか、知っている企業を羅列してきますね。受けたいと言えば受けさせるんですが、いい会社はほかにもたくさんあるよということを伝えています。有名な会社に行きたがる傾向は日本人と同じかもしれないですね」とO氏。
日本で一旗揚げて帰りたいと考えている留学生にって、母国の家族が知っている企業は非常に魅力的ですが、日本語力やビジネスマナーなど、実力不足であることも多いため、キャリアセンターでは学生のスキルアップとともに、視野を広げられるような工夫をしています。
それに加え、日本企業の新卒一括採用の仕組みや、「総合職」という職種を理解せず、ひとつの専門職に絞って就職活動を考えてしまう学生もいます。
考え方が企業とかみ合わず採用に至らないというケースを防ぐため、日本企業の仕組みを理解させる教育も必須です。
学生の最も大きな壁になる日本語力については、学科の授業内で強化。
JLPTの受験を促し、早い段階からN1やN2レベルの日本語力を身に付けられるようにしています。
キャリアセンターでは就職面接の指導も行いますが、学生の日本語力不足を感じることも多々あるそうです。
「日本語を理解してもうまく答えられないとか、話せても書けないとか、それぞれに課題を感じます。そのような学生でも就職できるようにするために、ビジネスマナーは最低限身につけさせたいと思っています」。
このような必要性から、G検を導入し、日常生活だけでは習得が不十分な日本の習慣や文化について知る機会を作っていると言います。
また、学内には、キャリアセンターとは別に、「国際交流・留学生支援センター」があり、中国人スタッフや韓国人スタッフが常駐して就職以外の相談を受ける窓口となっています。
このような手厚いサポートにより、就職率は90%を超え、また、全国平均が3割と言われている留学生の国内就職率も50~60%と高い水準を保っているのです。