外国人従業員の連続した休暇取得要求、対応は?
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
(株)TOHOWORKの和田です。
昨日、特定技能「外食」の候補者がまた一人、内定をいただきました。
その方はこれまで3回も面接を繰り返し行ってきた方で、親心ではないのですが、どこかに決まってほしいと思っていた方なのでとても嬉しかったです。
早ければ来月には在留資格変更の申請ができると思うので、申請許可が下りるのは専門学校の卒業と同時ぐらいかちょっと早いかぐらいではないかと予想しています。
その会社はまだまだ追加で募集をされているのでこれからもどんどんいい人材をご紹介していこうと考えています。
特定技能外国人の雇用に少しでもご関心をお持ちの企業様はぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
外国人従業員の連続した休暇取得要求、対応は? |
外国人従業員が連続した休暇を要求します。応じないといけないのでしょうか。 |
A.休暇取得を拒否できる場合がある。
|有給休暇の時季指定権と時季変更権
労働基準法では、雇入れから6か月経過したときに10日の有給休暇を付与(出勤率が全労働日の80%以上である必要があります)、その後、1年経過するごとに付与日数は1日ないし2日ずつ加算され、6年6か月以上勤務で年間20日の有給休暇を付与することが定められています(39条1項、2項)。
そして、労働者から有給休暇取得の申し出があった場合、事業者は、原則として、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければなりません(時季指定権・39条5項本文)。
したがって、外国人従業員が連続した休暇を要求した場合、事業者は、連続した休暇であることだけを理由に有給休暇の取得を拒絶することはできません。
もっとも、労働者から請求された時季に有給休暇を与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」においては、事業者は、他の時季に有給休暇を取得させる時季変更権を行使することが許されています(39条5項ただし書)。
そのため、外国人従業員が要求する連続した休暇が「事業の正常な運営を妨げる」結果となる場合には、事業者は、時季変更権を行使し、取得時期を変更してもらう形で対応することが可能です。
|「事業の正常な運営を妨げる場合」とは
一般的に「事業の正常な運営を妨げる」ことになるか否かは、「事業所の規模、業務内容、当該労働者の担当する職務の内容、性質、職務の繁閑、代替要員確保の難易、時季を同じくして有給休暇を指定している員数、休暇取得に関するこれまでの慣行等」が判断要素とされています。
また、連続した有給休暇を指定し、その日数が多い場合、労働者は事業者との間で事前の調整を要求され、それをしない場合には、事業者の裁量の余地が大きくなると解されています。
以上を踏まえると、外国人従業員が、連続した有給休暇の取得を申し出てきた場合、まずは当該従業員との間で事前の調整を行い、それでも調整がかなわない場合には、「事業の正常な運営を妨げる」か否かを判断していくことになります。
労働者の連続した有給休暇の取得を認めなかった裁判例としては、前掲時事通信社事件があります。
当該事件は、労働者が約1か月の連続した有給休暇の取得を指定した事案でしたが、最高裁判所は、
①労働者の担当業務は専門性が高く、長期に代替者を確保することは相当困難であること
②労働者は約1か月の連続した時季指定を会社と十分な調整をせず行ったこと
③上司は、代替者配置の余裕がなく業務に支障を来すとして、2週間ずつ2回に分けて休暇を取ってほしいと告げた上で、後半の2週間についてのみ時季変更していること
などの事情から、会社は労働者に対し相当の配慮をしており、有給休暇取得時季の変更は労働基準法39条の趣旨に反する不合理なものとはいえないと判示しています。
ドイツ、フランスでは、有給休暇を連続で使用することが法律で義務付けられているなど、国によって有給休暇の日数、その使用方法についての事情はさまざまです。
そのため、外国人を雇用する際には、日本の有給休暇の制度について、事前に説明しておくことは大切でしょう。