社員食堂のメニュー、宗教に応じた対応をしないことは違法?
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
昨日はほぼ一日中、外出しており様々な人と意見交換をする場を持つことができました。
やはり観光業界はこのコロナの影響で顧客の激減が著しいそうです。
最近では行政書士ともお会いする機会が多く、お話を聞いているのですが、
在留資格の変更等の仕事量は減っている感じでもないそうです。
特に特定技能の「介護」はとても申請がスムーズなんだとか。
私もこれからは介護施設向けの人材紹介に力を入れていこうかと考えています。
先日、「介護」の日本語試験を受けた方がいたのですが、介護に関する勉強を一度もしたことがない人でも十分に合格できたとのことだったので、意外と問題自体は難しくないのかなと思いました。
介護施設の方などで技能実習生や特定技能の受入れを検討中の方はぜひお問い合わせください。
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Q.社員食堂のメニュー、宗教に応じた対応をしないことは違法? |
社員食堂のメニューはどれも、宗教上の理由により食べられないという外国人従業員がいます。対応しないのは違法でしょうか。 |
A.一概に違法とはいえないが、職場環境配慮義務を考え、できる限りの対応を。
|福利厚生サービスは労働条件の一部
労働契約とは労働者が提供する労務に対して、使用者が対価(給与)を支払う契約をいいます。
つまり労働契約上は、企業は社員食堂を設ける義務はありませんし、食堂の利用を従業員に義務付けているわけでもありません。
社員食堂で提供されるメニューが好みでない労働者は、自分でお弁当を持ってきたり、外部の食堂を利用すればよい、と考える人もいるかもしれません。
しかし、企業がいったん社員食堂を設けた場合は、企業の福利厚生サービスとして労働条件の一部となります。
労働基準法3条は「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」と定めています。
すなわち、企業は、従業員に対する福利厚生サービスについても、他の労働条件と同様に、宗教を理由に差別的な取扱いをすることが禁じられてるのです。
|差別的な取扱いとは
しかし、どのような取扱いが差別的といえるかについては、企業の規模、経営状況、社員食堂を利用する従業員の割合、社員食堂運営会社の対応可能性なども考慮する必要があります。
例えば、イスラム教では「食べてよいもの」と「食べてはいけないもの」が細かく定められています。
食べてよいと定められた食べ物を「ハラルフード」といいますが、豚肉とアルコールは全面的に禁止されています。
それ以外の食材でも加工方法などについて決まった処理方法があるといわれています。
一般の日本人にはわかりにくいかもしれませんが、ハラルではないものを食するということは、イスラム教徒にとっては神に背くことを意味する重大な問題であるということを理解する必要があります。
また、肉や魚に加え、卵、乳製品、はちみつなど動物性食品を一切口にしない完全菜食主義者(ビーガン)は、外国人のみならず、日本人でも増加しています。
もともと日本には精進料理(野菜類、穀類、海藻類、豆類、木の実、果物を食材とし、生臭物とされる肉や魚介類を使わない料理)の文化があり、国内外で人気があります。
とはいえ、手間や費用などを考えると、一般社員向けのメニューとは別に、ハラル認証された食材を用いるなど特別なメニューを毎日提供することが難しい場合もあります。
一方で外国人労働者を多く雇用する企業の社員食堂では、毎日のメニューにハラルフードやベジタリアンメニューを提供しているところもあります。
従業員全員に向けた福利厚生が、特定の従業員の属性によって利用が制限されるという状況は、仮に違法な差別とはいえない場合でも、当該従業員が孤立感や疎外感を感じる大きな原因となり、ひいては士気の低下や離職に繋がる可能性があります。
初めから宗教など個別事情に応じた食事は準備できない、と拒否するのではなく、当該従業員と協議しながら、可能な範囲で対応することが必要でしょう。
そうした配慮は、外国人労働者を受け入れる企業に課せられた職場環境配慮義務といえるかもしれません。
さまざまな文化的・宗教的特性のあるメニューを他の従業員も一緒になって楽しむことで、活気のある明るい職場づくりに繋がるかもしれません。