外国人材に「共感」できなくても「理解」を
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
先週末、フィリピンで「介護」、日本で「宿泊」の特定技能試験が行われました。
フィリピンのほうでの情報はまだ入ってないのですが、5月には結果が出るので随時合格した人は日本へ来ることになるでしょう。
また、昨日行われた「宿泊」の試験、やはりN4相当のレベルだけでは難しかったようですね。
ホテルでのフロント業務を初め広報業務の問題も含まれているため、それなりの経験と日本語能力が必要な試験内容だったようです。
「宿泊」の試験は年に2回行われる予定で次回は10月の開催を予定しているそうです。
学習用テキストのようなものが書店で売り出されればもう少し試験対策がしやすくなるのですが。。。
今後、特定技能1号(宿泊)者が増えるように私でできることが何なのか戦略を練っていきたいと思います。
さて、それでは本日のテーマに移りましょう。
今日は「外国人材への理解」についてお話していきたいと思います。
外国人と日本人、いくら頑張っても共感できない部分があります。
育ってきた環境はもちろん、文化や習慣も違います。
日本に数年住んで知識としては日本のことを理解している彼らでも我々に共感できている部分はほんの少しだけではないでしょうか。
それは、我々日本人も同じことではないでしょうか。
そこで今日ご紹介するのは頑張って「共感」をした結果起こった事案をご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY㉕ 無理な同質化はかえって外国人を尊重しません
甲ツーリズム株式会社(以下「甲ツーリズム」とする)は、アジア専門の旅行代理店(中規模)として30年以上の歴史を有する老舗である。現在の甲ツーリズムの社長であるAは二代目であり、先代であり父親であるBから受け継いだ甲ツーリズムをさらに発展させるために頑張っていた。 しかしながら、甲ツーリズムは大手旅行代理店の値下げ攻勢にあい、またそれに対抗する「企画」も立てることができなかったことから、毎年の売上は下降の一途を辿っていた。 そこで、Aは自社の売上悪化の原因を自社内の日本人従業員と外国人材(中国、モンゴル、ベトナム、ミャンマー、タイ等のアジア人)との間にある「壁」に求め、その「壁」があるからこそユーザーに対して「アジアの魅力」を伝えきれていないと考えた。 そして、Aは日本人従業員に対してアジア人への共感を義務付けるような研修を実施し、それを人事評定に直結させた。 その結果、甲ツーリズムの外国人材の8割以上が退職することになった(逆に日本人従業員からの退職者は出ていない)。 |
|解説
今回のケースの「外国人材の8割退職」という結果はどうして起きたのでしょうか。
Aは自社の外国人材よりも日本人従業員に対して厳しくしているように思えます。
したがって、むしろ日本人従業員の方に退職者が出るようにも思えます。
しかしながら、今回のケースにおいては外国人材に退職者が出ており、その数は全体の8割にも及んでいます。
これはどういうことか。
それは、Aが甲ツーリズムの日本人従業員に対して与えたプレッシャーが、そっくりそのままどころか、何倍にも増幅して甲ツーリズムの外国人材へ伝えられたということです。
つまり、Aが行ったのは無理な同質化であり、それによって甲ツーリズムの「組織」は歪められていったのです。
そもそも、Aが考えた売上悪化の原因を日本人従業員と外国人材の間の「壁」に求めたのは間違いではありませんでした。
Aが間違ったのはその「壁」の取り除き方だったのです。
つまり、Aは日本人従業員に対して外国人材への「理解」ではなく「共感」を求めてしまいました。
その結果、両者の間にあった「壁」を何重にも厚くし、最後にはその「壁」に外国人材は押し出されてしまったのです。
外国人材が有する文化宗教観が仕事に大きく影響するとき
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
今日の東京の天気はどんより曇り空で気温も冬に逆戻りな感じですね。
来週あたりからは本格的に暖かくなるようなことを聞きましたが本当かどうか。。。
今週末、特定技能1号(宿泊)試験が開催されます。
宿泊業界でフロント業務はもちろんのことベットメイキングやレストラン、清掃業務としてでも雇用が可能となります。
弊社で登録支援機関になることができれば人材の紹介も併せて行っていきたいと考えています。
ご用命の際は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
さて、それでは本日のテーマに移っていきましょう。
今日は「外国文化宗教」についてご紹介していきたいと思います。
最近は色々な国籍の人たちが日本に在住しています。
それにともなって食の多様化も進んできています。
日本ではあまり馴染みのない「ハラール」や「ハラーム」などといった言葉も使われ始めています。
また、飲食業を営むお店などにとってはとても重要なことの一つです。
今日、ご紹介するのは仕事をする上で外国人の文化宗教をどこまで許容すればいいのかなどについてお話していきたいと思います。
|CASE STUDY㉔ 特定の宗教や文化を揶揄するものではありません
有限会社甲食品(以下「甲食品」とする)は、食肉加工業を主たる業務とし自社工場も所有している。これまで牛肉と豚肉で業績を伸ばしてきた甲食品だったが、今度新規事業として鶏肉を取り扱うことになり、その部門が立ち上がった。 ところが、甲食品の従業員の2割を占めていた乙国出身者が、甲食品で鶏肉を取り扱うことを反対する運動を始め、甲食品の工場は混乱し操業停止に追い込まれてしまった。 この事態を憂慮した甲食品社長Aは、乙国出身者従業員の代表者Bとの話し合いの場を持つに至った。そこでBはAに対して「乙国の国教では鶏は神聖なものであり、それの肉を加工する業務に従事することはできない。現在鶏肉のラインに異動になった乙国出身者を牛肉か豚肉のラインに戻せ」と通告してきた。 AはBたち乙国出身者の事情も理解できたが、Bたちの要求を呑んでしまうと実際のオペレーションに支障が生じ、鶏肉ラインを動かすことができないことから悩んだ。 |
|解説
今回のケースの問題点は2つあります。
1つは、Aが事前に自分の会社の2割を占める外国人材である乙国出身者についての理解がなかったこと。
もう1つは、Bたちの要求に応じる姿勢を示していることです。
この点、前者についてはAの努力不足として理解できますが、後者については一見Aの対話を示す姿勢は良いものと評価できそうです。
しかしながら、甲食品のオペレーション上はBたちの要求を呑むことが不可能であることが明確であれば、Bたちへ対話の姿勢を示すのではなく、はっきりと拒絶すべきでしょう。
なぜなら、Bたちが自らの「文化宗教等」を理由として労務提供を拒否するのを許す余地を作ることは、日本人従業員および他の外国人スタッフに対して公平ではなく、「組織」の管理運用としても不当だと評価できるからです。
このような公平性を欠く要求に一度でも屈するようなことがあれば、組織の秩序は崩れ落ち正常なオペレーションが維持できなくなる可能性があります。
以上のことから「外国人材の持つ文化宗教等に対する理解は必要だが、仕事に大きく影響する場合ははっきりと注意すること」の重要性が理解できるのではないでしょうか。
外国人を一括りにしない
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
昨日は全国的に冬のような気候でしたね。
今日の東京はぽかぽか陽気とはいきませんが、日差しが気持ちいいお天気です。
東京の桜はほとんど散ってしまってまた来年まで見られないと思うとちょっぴり寂しい感じが残ります。
今日も昨日に引き続いて特定技能1号試験(外食)を学習テキストを使ってライブ動画配信しました。
再生回数が1500回ほどなのを見ると実際に受験する人以外でもこの試験に興味をしてしている人が多数いるように感じます。
今月開催されるものが第一回目となるので正直、問題の内容や難易度は分かりかねますが、次回の第二回目を待ちわびている人は多いのではないでしょうか。
特定技能1号者をたくさんご紹介できるように弊社も頑張りたいと思います。
さて、それでは本日のテーマです。
今日のテーマは「外国人のグループ」についてお話したいと思います。
日本人にとっては日本人以外は外国人と認識してしまいます。
それは仕方のないことだと思いますが、一緒に仕事をする上で国籍・民族が異なる外国人材を単に「外国人」として同じように扱っても良いものなのでしょうか。
今日はその辺りのことを事案を交えながらご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY㉒ クリティカルマターが一気に職場を緊張させて
株式会社甲クリエイティブ(以下「甲クリエイティブ」とする)は、インターネット上で新たなプラットフォーム(サービス)を作り出し、そのヒットにより急激に業績を拡大させてきた。そして、その業績の拡大の背景には、中国、韓国、ベトナム出身の外国人材(プログラム)の存在があった。むしろ、日本人従業員は管理部門に集中しており実際の現場は彼ら外国人材で働いていた。 ある日、開発事業部長B(日本人)が、軽いコミュニケーションの気持ちで部下の外国人たちに対して領土問題や歴史問題(以下「領土問題等」とする)について話しかけた。Bとしては、本当に軽い気持ちで、しかも日本だけの立場(相手の状況への配慮がある)で言ったわけではなかった。しかしながら、そのBの言葉が、アジア圏出身者である外国人材たちを動揺させ、社内の雰囲気を一気に険悪なものにしてしまった。 |
|解説
今回のケースの甲クリエイティブには、中国、韓国、ベトナム出身のプログラマが在籍しています。
そして、彼ら外国人材たちを管理しているのは、開発部長である日本人のBです。
Bは、部下である外国人材たちとコミュニケーションを取ろうとして軽い気持ちで領土問題等という繊細なものを話題にしてしまいました。
この点、そもそも領土問題等は日本と中国等だけでなく中国とベトナム等というように日本が直接関係していないところでも起きています。
したがって、日本を取り巻く状況だけを考えて安易に領土問題等を話題にするのは厳に避けてください。
なぜなら、出身国が異なる外国人材は彼ら自身同士が「外国人」であり、それぞれの国の「背景」を有しているからです。
したがって、国籍・民族が異なる外国人を雇用する時に、彼らを「外国人」と一括りにして考えないことが重要です。
なお、はじめて外国人材を雇用する場合は、同じ国籍・民族の人材を雇用したほうが、人材管理運用がスムーズにいきます。
この点について、何も考えずに異なる国籍・民族の人材を雇用した場合、社内に出身国籍・民族ごとのグループが出現してしまい「組織」の一体性を保つのが難しくなるでしょう。
「日本人従業員と外国人材の関係性」だけでも大きな「課題」であるのに、それに「外国人材同士の関係性」という「課題」をはじめから増やす必要はありません。
最後に、繰り返しになりますが「外国人材同士もお互いに外国人である」という認識を持つようにしてください。
外国人材は新たな人脈の「入口」
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
今月末に開催される特定技能1号「外食」の試験に向けて勉強会を行うことにしました。
その第一回目として本日10時にスカイプにて行います。
試験は三者一択のマークシート方式で合計30問60分の試験構成になっています。
難易度的にはN3以上を求められるようで2年以上飲食業でアルバイトの経験がある人が一切勉強をしなかった場合でも50%は合格できるような難易度だそうです。
内容的には日本人でも2週間から1か月は勉強しないと知らない問題がたくさん出るのではないかと想定しています。
せめて私が教えてあげた子たちだけでも合格してくれると嬉しいのですが。。。
結果はまた追ってご報告したいと思います。
はい、それでは今日のテーマです。
今日は「外国人脈」についてです。
ビジネスをする上で、人脈はとても大切なツールの一つです。
それは外国人という「人脈」でも同じことが言えます。
今日ご紹介するのは外国人の人脈があったからこそ成功した事例をもとにお話をしていきたいと思います。
|CASE STUDY㉑ 自社の外国人脈を通じて業績回復
関西を中心にラーメン店を展開している「株式会社甲マーケティング」(以下「甲マーケティング」とする)は、急速な店舗拡大が原因で業績が悪化していた(赤字店舗が多く、それが全体の収益を奪っていた)。そして、甲マーケティングの創業者であるAは一度は手に入れた豪邸を売り払ってなんとか甲マーケティングの経営を維持していた。 もっとも、甲マーケティングはAの「企業は人が全て」という経営理念によりリストラ(人員削減)だけには手を付けていなかったため、現状の売上と固定費のバランスのままでは近い将来倒産する可能性が高かった。 この点、甲マーケティング本社管理部門に乙国出身の外国人材Bが在籍していた(Bは留学生として来日しその後関西名門私立大学経済学部を卒業)。もともとは学生時代にアルバイトとして甲マーケティングで働いてたBは、大学卒業後、そのまま甲マーケティングの管理部門に就職した。そして、BはAから直接薫陶を受けAを「経営者」として何より「人間」として尊敬するようになっていった。 だからこそ、甲マーケティングの窮状を理解していたBは、乙国で大きな不動産会社を経営している父親CをAに紹介し、甲マーケティングが乙国へ進出する「キッカケ」を作った(乙国進出の資金等もCが提供した)。 そして、3年後には甲マーケティングの乙国現地法人(以下「甲マーケティング乙」とする)は、乙国で100店舗を展開するまでに急成長し甲マーケティング乙の売上は日本国内の売上を超えるまでとなった。 その後、この乙国での成功により甲マーケティング自身の業績も持ち直すに至った。 |
|解説
今回のケースは、ある種の「おとぎ話」のように思えるかもしれません。
もちろん、今回のケース自体はフィクションですが、これに近い例は少なくありません。
今回のケースほど大きな成功ではありませんが、自社で雇用している外国人材が有する「人脈」を通じてビジネスの拡大の「キッカケ」を得たいうクライアントもいます。
もっとも、その「キッカケ」を成功に結び付けることがでるかどうかは、経営者の能力等にかかっているのは言うまでもありません。
そして、一人の「外国人材」の存在が一つの「組織」の栄枯盛衰につながるという意識を持って外国人雇用に向き合えば、思いがけない成功につながる「人脈」を得ることができるはずです。
利益拡大のキッカケに外国人材雇用を!!
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
みなさんは先週末、お花見に出かけましたか?
私は実家の大阪で昔日本語を教えていた学生と一緒に大阪城公園へお花見に行ってきました。
今日の東京の天気は朝から雨で気温も昨日に比べて5度ほど低いそうですが、
先週末のお天気は春らしいお天気でとても気持ちがよかったです。
日本にいると毎年花粉症に悩まされますが、お花見がある文化、やっぱりいいものですね。
来年もまたみんなと一緒にお花見ができると嬉しいです。
さて、それでは今日のテーマに移りましょう。
今日は「外国人材雇用」についてご紹介していきたいと思います。
日本にいながら外国人を雇用するタイミングというのはどのような時でしょうか?
日本人からの応募がなく外国人材を使わざるを得ないとき、
もちろんそれもあると思います。
今日ご紹介するのは、外国人相手のビジネスを新規で始めようとしているのに外国人材を雇用したなかったがために起こった事例をご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY⑳ トラブル続きで中国人向け不動産業から撤退
地域密着で30年間、宅地建物取引業者としてやってきた「有限会社甲不動産」(以下、「甲不動産」とする)は今度、新規事業として「在日中国人向け不動産サービス」を立ち上げることにした(この背景として、甲不動産がある地域が近年非常に中国人が増えてきたことがあった)。 そこで、甲不動産の社長Aは、在日中国語新聞に公告を出稿して、中国人の客層を取り込もうとした。 なお、Aは自社の不動産サービスに自信があると同時に、在日中国人は日本語が理解できると考え、中国語ができる従業員は必要ないと考えていた(Aの友人の中国人もこのAの考えに賛同していた)。 しかしながら、実際に甲不動産が「中国人向け不動産サービス」を始めてみると、全くうまくいかなかった。日本人向けにやってきたこれまでとは全く勝手が違っていたからだ。 さらに、甲不動産は日本人と中国人の言葉や習慣の違いを原因とするトラブルを多く抱えてしまい、半年後に「中国人向け不動産サービス」から撤退した。 |
|解説
今回のケースのAは自分の主観と中国人の「友人」からの助言を信じて、従来からいた日本人従業員だけで新規業務である「中国人向け不動産サービス」を立ち上げました。
そして、その結果利益を出せず、むしろトラブル等を抱え込み損害を出しています。
この点、Aは中国人の「友人」に「中国人従業員雇用の要否について確認」をしています。
そして、その答えから問題ないと判断して失敗しています。
ここで重要なのは、Aは日本人と中国人の違いについて、あまりにも無頓着であり「甘く」考えていたことです。
この「日本人で成功しているから中国人でも成功するだろう」という考えは厳に避けるべきです。
実際、このような考えに基づく行為はかなりの確率で失敗しています。
つまり、今回のケースにおいては、Aが中国人従業員を雇用しなかったことが最大の失敗原因です。
Aの「友人」である「中国人」は甲不動産のビジネスの利害関係人ではないので、その言葉に責任を持ちませんし、責任を負わせることもできません。
「中国人」相手のビジネスには必ず「外国人材」としての「中国人」従業員が必要です。
この点について、しっかりと理解し行為に移すことができれば、外国人材の雇用をキッカケとして、新規事業の立ち上げをし自社の利益拡大につなげることもできるでしょう。
外国人材の給与は現地のものを参考に
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
今日は朝から東京入国管理局へ行っていきました。
本日、特定技能1号の登録支援機関の登録申請書を提出してきました。
この申請書類は郵送でも可能とのことだったのですが、
弊社のような有料職業紹介事業でも本当に受け付けてくれるのか心配だったので直接提出に行きました。
結果は、審査対象としては見てくれたようであとは約2か月後に送られてくる結果を待つだけです。
登録支援機関になれましたら、特定技能1号にかかる支援のほうも併せて行いますのでよろしくお願いいたします。
さて、今日のテーマは「外国人の給与体系」についてです。
日本の会社では安定的均一的という給与体系が取られている中、外国では基本給+歩合給が高いという給与体系の国もあります。
外国人材の評価基準を明確にしておき、外国人材の労働意欲をうまく引き出す必要があります。
今日もある事例を引き合いに出しながら説明をしていきたいと思います。
|CASE STUDY⑲ 国別ではなく職種別給与に
株式会社甲ライフクリエーション(以下、「甲ライフ」とする)は、様々な事業を展開しており、その1つにオフィス向けにコーヒーサービスを提供しているサービス部門がある(同部門の責任者は日本人であるA部長)。 同サービスはオフィスにコーヒーメーカーを無料でレンタルし、その後定期的にコーヒー豆等を提供するというビジネスモデルだった。そして、これまでの甲ライフの営業スタイルは、同社の他部門で開拓した顧客に対するルート営業が中心だったため、営業職も固定給だった。 しかしながら、それだけでは現状以上に売上を伸ばしていくことは難しいと判断したAは、これまで対象としてこなかった在日外国人、特に近年増えてきた中国人経営の会社に対する営業を立ち上げることにした(ただし、新規営業ではなく、これまでと同様に甲ライフの他部門で開拓した顧客へのルート営業なので固定給)。そして、そのために中国人3名を新規採用し、1か月の社員研修後に実務に投入した。 ところが、その後半年間の彼ら3名の中国人の営業成績はこれまで日本人従業員の実績ベースを考えればあまりにも悪いものであった。 |
|解説
今回のケースは、Aが「ルート営業」の営業職をどのように評価しているのかが問題となっています。
この点、Aは「ルート営業」を「新規営業」とは異なり営業マン個人の努力よりも、甲ライフのブランド力でその実績が決まるー「ルート営業」の営業マンは、誠実に且つ定期的に顧客先をまわるだけで実績が上がるーと評価しています。
したがって、Aは悪い「ルート営業」の実績は単に「中国人営業マンたちの怠慢」だと考えるでしょう。
しかしながら、「ルート営業」の実績が本当に甲ライフのブランド力だけで上がるのであれば、それこそ「誰が」担当しても同じ結果となるはずです。
つまり、これまでの甲ライフの「ルート営業」の実績は、日本人営業マンの力があったからこそ上がっていたものです。
そして、日本人営業マンは、実績に応じて変化しない固定給ではその潜在的な能力を発揮することができなかったのです。
確かに、これを「中国人営業マンの怠慢である」と評価することができる余地があるかもしれません。
しかしながら、このような評価をすることは簡単ですが、それで「行き止まり」(「批判」のための批判)になってしまいます。
そうなれば、甲ライフ(売上)にもA(社内評価)にも何のプラスにもなりません。
したがって、中国人営業職を日本人営業職とは異なる「職種」と考えて「歩合」を取り入れた給与体系にするのはどうでしょうか。
私の経験則から言っても試してみる価値は十分にあります。
出身国の文化慣習を理解する
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
4月に入り本格的に新年度がスタートして参りました。
弊社の前にある小学校でも入学式が開催されています。
今年は桜がほぼ満開の中での入学式ですということで誠に幸先の良いスタートだったのではないでしょうか。
また、今月から始まった特定技能1号の評価試験もいよいよ再来週からスタートします。
特定技能1号に伴う登録支援機関や協議会のことなど詳しい情報がわかり次第、こちらで共有させていただきたいと思います。
さて、本日のテーマに移りましょう。
今日のテーマは「出身国の文化習慣」についてご紹介していきます。
先日ご紹介したものは「日本の商習慣を徹底的に教える」という内容のものでした。
今日は相手国の文化習慣について雇用主側が覚えるというものとなります。
|CASE STUDY⑱ ベトナムの商習慣を学んでリスクを防ぐ
株式会社甲南洋商事(以下、「甲南洋」とする)は、日本とベトナム間の貿易(以下、(日越貿易」とする)および日本企業のベトナム進出のコンサルティング業務(以下、「ベトナム進出コンサル」とする)を手掛けていた。甲南洋の代表取締役Aは特にベトナムに詳しいわけでなく(しかも特別興味もなかった)、たまたま知人の紹介で始めた日越貿易が成功し、その勢いでベトナム進出コンサルにも手を広げていた。 甲南洋には、グエン氏(35歳/男性/ベトナム国籍)がおり、実質的にはグエン氏がベトナム現地との「調整役」となっていた。したがって、ベトナムの商習慣や現地の事情についてはグエン氏の「言葉」が基準となっていた。 |
|解説
今回のケースは、甲南洋の経営者であるAがベトナムに全く興味がなく、単に「お金になっている」から日越貿易等をしています。
そして、実質的に甲南洋とベトナムをつないでいるのはベトナム人従業員であるグエン氏です。
このような状況は、経営的に見れば非常に危険です。
なぜなら、実質的に業務の「核」を一従業員に押さえられているからです。
そして、これは当該従業員が善良であるか優秀であるかは関係ありません。
このような状況が、経営的に問題があるということです(不可抗力的にグエン氏が病気等で業務から離れることもありえます)。
したがって、Aはグエン氏の他にベトナム人の雇用を考えるべきと思いますが、それよりもまずやるべきことがあります。
それは、ベトナム人従業員に「緊張感を与える」ことです。
そして、そのためには「ベトナムの商慣習等を理解すること」をお勧めします。
この点、ベトナム語を習得することのほうが効果的では、という疑問もあるでしょう。
しかしながら、外国語を習得するのは一朝一夕ではできません。
したがって、通常外国語学習の時間を持つこと自体はできても、それをビジネスレベルまで持って行くことは難しいでしょう。
一方、外国の商慣習等の理解であれば、外国語の習得よりも容易で、また即効性があります。
徹底的に日本の文化慣習を教える
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
今日から4月ですね。
そして新元号が発表となりました。
来月からは「令和」となります。
「令」という字はほとんどの人が想像もしていなかったのではないでしょうか。
個人的なことで恐縮ですがわたくし、「和田陵平」と申しまして
「平成」に続き元号の中に私の字が使われているのです。
ほんの少しですが嬉しく感じますwww
これからも変わらぬお付き合いのほど宜しくお願い致します。
それでは、今日のテーマです。
今日は「社員教育」についてお話したいと思います。
外国人を雇用する際にも日本人と同様研修を受けてもらうことが多いと思います。
でも日本人と同じような研修でいいのでしょうか?
日本語の問題ではなく文化的、慣習的な問題が研修のときに出てきます。
今日は研修時の事例を交えてご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY⑰ 自慢の社員教育がいじめと受けとられ全員辞職
甲機械工業株式会社(以下、「甲機械」とする)は、大手電機メーカー乙社の下請けとして業績を伸ばしていた。乙社は、安心・安全・高性能という日本ブランドを代表する企業であり、甲機械も乙社からそのブランドイメージに見合う高度な技術と管理体制が求められていた。 甲機械の代表取締役であるAの自慢は、自社の充実した「社員研修制度」であり、Aにはこの社員研修を受けた社員は「どこにでも通用する人材になる」という自負心があった。だからこそ、自社にいる外国人従業員(25人。在留資格は「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」)に対して、日本人と同じ社員研修を受けさせていた。 ところが、ある日、甲機械の外国人従業員の全員がAに対して「辞める」と伝えてきた。Aが彼らの代表である明氏(23歳/男性/中国籍)に事業を聴くと明氏は「我々は社長からいじめを受けている」と言い出した。そんな身に覚えがないAは戸惑い、その場に立ち尽くしかなかった。 |
|解説
今回のケースの問題点は、Aが自信を持っていた甲機械の「社員研修制度」が、明氏をはじめとする外国人材たちにはAの「いじめ」と認識されていたことです。
Aは自社の外国人従業員たちを「一人前」にするために、日本人と同じ「社員研修制度」を受けさせていました。
そして、この「日本人と同じ」というのが一番の問題だったのです。
これは逆に言えば「日本人と同じ程度のもの」ということであり、これでは外国人従業員に対するものとしては不十分だったのです。
Aは自社の外国人従業員たちに対して、日本人従業員と同じ内容の社員研修ではなくそれよりも充実させた社員研修(外国人材向けにアレンジしたもの)を受けさせるべきでした。
実際、周囲を見てみると「日本のものが優れている」という「考え」をそのまま外国人に「押し付ける」という日本人の「善意」が目立ちます。
もちろん、自国のものが優れているという意識を有することは否定されるべきものではなく、むしろ奨励されるべきものです。
しかしながら、その場合は「自国のものが外国人に対してそのまま受け入れられるものかどうか」という視点を持つことが必要です。
真に「祖国を想う」なら、まず「祖国」を客観的に見ることが必要です。
そうすれば、外国人に対して「祖国」の素晴らしさを伝えることができるはずです。
在日外国人就労者の動機
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
特定技能1号(介護)試験において、この4月はフィリピン国でのみの実施とのことです。
当初はベトナム国でも実施される予定だったそうなのですが、日本との二国間協定が間に合わなかったことから今回は行われないとのことです。
今後の話なので確定ではないのですが、日本でも定期的に介護の特定技能試験が行われる方向で検討がされているそうです。
もし日本でも試験がスタートすれば、介護の専門学校を出ていない外国人でも介護職につける可能性が広がると言えるでしょう。
試験問題はサンプルを見る限りでは、介護福祉士に出てくるような問題ではないので少し勉強すれば合格できるような内容ではないかと推測しています。
老人ホームなど人材が不足している会社にも今後はご紹介ができるのではないかと考えています。
さて、それでは今日のテーマです。
本日のテーマは「在日外国人就労者」についてお話していきたいと思います。
現在、多くの外国人が日本に在住しています。
みなさん、何のために日本にいるのでしょうか?
お金のため、日本が好きなため、家族のため、勉強のため、、、
少し前では出稼ぎのためという考えがかなりのウェイトを占めていたのではないかと思いますが、現在は外国人の考え方も多様化しています。
外国人雇用で大切なことはその外国人のバックグランドを理解することがあります。
勝手な思い込みによって外国人雇用に失敗した会社の話を事例にご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY⑯ 根性のある出稼ぎ外国人なら・・・と思ったが
株式会社甲エステート(以下、「甲エステート」とする)は、不動産「売買」を主たる業務として頭角を現している企業である。特に、その営業力には定評があるとともに、それに比して営業マンに課せられているノルマの重さから、一部では「ブラック企業」と呼ばれていた。 甲エステートの代表取締役Aは、最近営業マンの定着率の低さが原因で売上が落ちてきたことについて悩んでいた。そして、その低い定着率の原因は、営業マンの「根性の足りなさ」だと理解していた。そこで、もっと「根性がある(お金を稼ぐことに貪欲である)」人材を採用するために、中国人の採用枠を新たに作り実際に10人の中国人を「営業職」として採用した。彼らは皆、日本に留学生として来日していた新卒(大学または専修学校卒業者)だった。 ところが、Aの予想に反しこの10人の中国人新卒者たちは3か月以内に全員辞めてしまった。 |
|解説
今回のケースのAは、甲エステートの営業マンに対して過剰なノルマを課しています(自分(A)なら達成できたという経験則を基準にしています)。
この是非については今回のテーマから外れるので言及をしません。
しかしながら、Aがこれまでの甲エステートの日本人営業マンよりも「根性がある(お金を稼ぐのに貪欲である)人材を求めるという理由で、中国人新卒者を採用した点については考えが浅かったといえるでしょう。
おそらくAの頭の中には「中国人は日本に「出稼ぎ」に来ている」というのがあったのでしょう。
ところが、甲エステートで採用した中国人新卒者たちはAが考えている「中国人」ではなく、過剰な営業ノルマに耐えることができませんでした。
この点、Aの間違いは
①中国人新卒者を「出稼ぎ外国人」として認識していたこと
②中国人を単なる「日本人の代替要員」とにんしていたこと
でしょう。
②については依然にもご紹介した「外国人を安価な労働力と思わない」でもご紹介いたしました。
①については、Aが「出稼ぎ外国人」ではない彼らの存在を考える機会を持つことができれば(Aが発想を変えるキッカケがあれば)すぐにでも「変化」を知ることができたかもしれません。
以上のように「在日外国人就労者の動機」には、母国よりも高水準の賃金というような金銭的なものだけでなく、上記のように多様化しています。
その多様性を無視して外国人を雇用し、管理運用すれば支障が生じるのは避けられないことを理解してください。
外国人材に向けられた抽象「論」に注意する
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
ここ最近、外国人関連のニュースがまた増えてきました。
来月から始まる特定技能1号の在留資格のせいでしょう。
弊社でも特定技能1号を企業様にご活用いただくべく登録支援機関に登録しようかと検討しております。
外国人の受入れ企業様でもご自身で登録をし雇用することは可能となっておりますが、
かなり面倒な支援が国の方針で取り決められております。
委託されることを弊社としてはおすすめいたします。
さて、今日のテーマです。
今日は「外国人への抽象論」についてお話したいと思います。
一般の日本人にとって外国人はまだまだ受け入れがたい存在のままの方が数多くいます。
これはゆるぎない事実でしょう。
しかし、どうして受け入れがたいのかという話となると推測だけで話されることが多いです。
「外国人がいると治安が悪くなる」
「外国人は日本の常識が通用しない」
など根拠のない話がその一例です。
今日はそういう考えのために倒産してしまった会社の事例を挙げてご説明していきたいと思います。
|CASE STUDY⑮ 抽象「論」の蔓延で倒産に
株式会社甲産業(以下、「甲産業」という)は、中国へ向けて廃プラの輸出をしている。本来、甲産業は日本国内だけでリサイクル業を営んできたのだが、国内での競争が激化したため甲産業の社長Aは、その活路を中国に見出しその方向転換が成功していた。 中国関係の取扱い量が増えるにしたがって、甲産業の従業員の中国人比率が高まり、現在では「日本人6」に対し「中国人4」となっていた。 そこで、最近になってAが気付いたのは日本人従業員の「中国人は、・・・・・だ」とか「日本人は〇〇だから素晴らしい」というような発言が出るに至ると、さすがにAはこのような状況は「問題」であると考えるようになった。 さらに、甲産業内では明らかに日本人と中国人の2つのグループができており、両者の間で言葉を交わすことはほとんどないことにも気づいた。 しかしながら、Aはこの状況を改善する方法を見出すことができず、その後甲産業にいた中国人たちは別会社を立ち上げて独立してしまった。 結局、中国関係の取扱いを失った甲産業は、ほどなくして倒産状態に陥ってしまった。 |
|解説
今回のケースは、甲産業内で抽象「論」が蔓延した結果、日本人従業員と中国人従業員の間に大きな溝ができてしまったことが問題です。
つまり、Aは外国人材を採用するということは、既存の日本人だけで構成していた「組織」に対して大きな影響を与えるということを理解していなかったのです。
さらに、Aは日本人従業員の外国人材に向けられた抽象「論」の氾濫を見逃してしまいました。
この点、「中国人は・・・・・だ!」、「韓国人は・・・・だ!」、そして「日本人だから素晴らしい!」という議論は、外国人材を雇用している「組織」においては意味がない、または有害な「論」であることを理解してください。
そもそも、このような「論」をしてもなんら実効性がないものです。
ただ、一個人が自分の主観に任せて言っているだけで、ビジネスや「組織」のために発言している類のものではありません。
もっとも、ビジネスを離れたプライベートの時間で、上記抽象「論」をすることまでは禁ずることはできないし、そこまではする必要もありません。
ただ、勤務時間はビジネスをするため、そして「組織」のために使うものです。
そのためには、外国人材に向けられる抽象「論」を徹底的に排除することが必要となり、「組織」のトップ自らが先頭に立って実行していかなければなりません。
そして、例え日本人従業員たちから反発のようなものがあったとしても、断固実行すべきです。
これを実行できるかどうかで、外国人材管理運用の成功が決まると言っても過言ではありません。
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